ちいさな宝物。夏

嬉ピーマン！ ページ5

大介:side



あっつーーーーい！！！
なんでこんなに暑いんだ！！！
ダラダラと流れる汗を拭いながら、駅から家までの道のりを歩く。


「たっだいまぁ」

「あ、おかえり大兄」

「おかえりぃ！」


家に着くと、お風呂上がりの中学生組がタイミング良く出迎えてくれた。
けど、いつも走って出迎えてくれる小学生組が来てくれなくて、悲ピーマン…。
まぁそんな日もあるよね！って事で、洗面所で手洗いうがいをして、中学生組と一緒にリビングへ向かった。


「ただいまぁ、腹減ったぁ」

「おかえり、大介兄さん。もう少し掛かるから、ゆっくりしてて？」

「いい匂いだぁ、くぅ！楽しみ！！」


カレーの良い匂いを鼻いっぱいに吸い込んで、匂いを堪能する笑。
カレーって、匂いだけで美味しいよね！

風呂入るにも微妙な時間だなって思いながら部屋に荷物を置いて、リビングに戻ると視界に入った縁側。
そこには、可愛い末っ子3人組がこれまた可愛い踊りを踊っていた。


「にゃは！可愛い〜！！何踊ってんの？」

「あ！大ちゃんおかえり！」

「おかえり！！」

「あだ！」

「ただいまぁ、可愛い〜！！」


俺に「おかえり」って言いながらも、踊るのをやめない3人笑。
そんな姿に癒されてたら、結構な至近距離から「大兄！ちょっと教えて！！」って大声が。
びっくりして、変な声出ちゃった笑。


「どしたの？照」

「あのさ、今8月にあるダンスコンテストの振りやってんだけど、なんかしっくりこないところがあってさ」

「どんな振り？見せて」


俺がそう言うと、照は踊り出した。
小さい時からダンスをやってるだけあって、やっぱり上手い。
滑らかだし、ここぞってところの身体の使い方が完璧。


「んで、ここなんだけど…」

「なるほどなぁ。曲と若干あってない感じはあるね。んと…あ、じゃあさ。こう、緩急をつけてみて、こうでこうで、こんな感じは？」

「……うわ、めっちゃしっくりくる。ありがと、大兄！」

「そ？良かった！」


実は俺、ダンス経験者なんだよね！笑。
小さい頃、照と一緒に習ってたの。
大学でもダンスサークルに入ってんだよ！
こんな風に頼ってもらえたら、ずーっとやってきた甲斐があるよねぇ、嬉しいなぁ。
俺が教えたところを繰り返し踊る照を眺めてたら、感じる3つの視線。


「「大くん！ダンス上手だね！！」」

「にゃはは！ありがとー！」


目をキラッキラさせて見てくるもんだから、もう可愛すぎる！！

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