ちいさな宝物。夏

え？人見知り？ ページ35

翔太:side



「……た、…ょた、翔太！起きてってば」

「………んぇ？なにぃ？」

「何じゃないよ笑。着いたよって」

「…どこにぃ？」

「おじいちゃん家だよ笑」


……あ、そっか。
もう着いたんだ。
ぐーっと伸びをして、のそのそと涼太の後を追って車を降りる。
家を出た時は陽が高かったのに、もう暗くなりかけてる。


「荷物下ろすから、自分の持ってってー！」


そんな照の声が、車の後ろから聞こえた。
照が下ろしてくれた荷物を受け取り、我先にとじぃちゃんの家へ駆けていくチビ達の後を追って、涼太とゆっくり玄関へと向かう。


「じぃじー！ばぁばー！来たよー！」

「あれ？！犬がいる！！」

「こーら。まずはちゃんと挨拶しなさい」

「「じぃじ！ばぁば！こんばんはー！！！」」


じぃちゃんの家は結構な田舎にあるんだけど、田舎特有なのかな…玄関のドア開きっぱなし笑。
こんなの、都会じゃ考えられないわ笑。
開きっぱなしだからなのか、車の音で気付いたのかな？
玄関覗いたら、じぃちゃんとばぁちゃんが既にお出迎えしてくれてた。


「おーおー、よく来たな。ガキ共」

「もう、あんた！ガキなんて汚い言葉、使うんじゃないよ！まったく！……ふふふ笑。皆よく来たね。疲れたろ？ほら、早く上がりなさい」

「「「わぁい！お邪魔しまぁす！」」」

「「お邪魔します」」

「お邪魔します。はい、どうぞ。お口に合えば良いんだけど…」

「あら、お土産？わざわざ、ありがとうねぇ。まぁ、とっても美味しそう！今日のお夕飯のあとで、皆で食べましょ！」

「お邪魔します」

「お邪魔しま〜す」

「ふぃ〜ちかれたぁ。お邪魔しま〜す」

「今日は大介が運転してきたのか？」

「そだよ〜。免許持ってんの、俺だけだかんねぇ笑」


そう言いながら、ジト目で辰兄を見る大兄笑。
辰兄、目泳いでるし笑。

そんな会話をしながら、泊めさせてもらう部屋に荷物を置いて、今はリビング？居間？でゆったりくつろぎ中。


「澪さんのお葬式以来かしら…。大きくなったわね、Aくん」

「A、じぃちゃんとばぁちゃんだよ。ご挨拶は？」

「……んぅ。…あちゃ」

「え、なに？人見知りでもしてんの？」

「まじ？え、A？こんばんは、は？」

「やぁ……」


これには皆、驚いてる。
あのAが、俺達と兄弟になって初めて人見知りしてんだもん。
今日から1週間は泊まるのに、大丈夫…なのか？

お前らの時は…→←奢りだ！

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