ちいさな宝物。夏

1週間ぶり ページ29

辰哉:side



あれからやっと、1週間が経った。
1週間のうちに、何回テレビ電話したか笑。
今日は、照のダンスコンテスト当日。
兄弟全員で応援に行く為、準備で朝からバタバタ笑。


「皆、ご飯食べた？」

「「「「食べた！」」」」

「あれ、翔太は？」

「…寝てるね。起こしてくる」

「あいつなんで起きてねぇんだよ！笑」

「チビ達〜、用意出来た？大ちゃんと一緒に確認するよ〜！」

「「はぁい！」」

「康二、これ忘れてるよ」

「あ！ありがとぉいっちゃん！」


こんな感じで、1人を除いて皆で協力しあって準備を進めた。
翔太は涼太に叩き起されて、焦ってたね笑。

そんなこんなで皆、準備が終わって車に乗り込む。
車の中は、楽しそうに某パン型ヒーローのぬいぐるみに話しかける声がずっと響いてる。
皆その声を聞いて、にっこにこ笑。
その声の主は誰かって？
もちろんAだよ笑。
1週間、ずっと照を恋しがってたAは、もう朝からテンション爆上がり笑。
ずーっとひちゃ、ひちゃって照の名前呼んでんの。
まじ、かぁいい笑。


「あちゃ！ひちゃね、ぎゅーよ！」

「んふ笑。そうね、いっぱいぎゅーしてあげてね？」

「ぼくもする！」

「おれも！」

「みーんなでぎゅーってしてやろうぜ！」

「俺は遠慮「翔太も一緒にね？」…うす」


こんな感じで賑やかさを保ったまま、ダンス会場に到着。
中々にでかいコンテストみたいで、会場が広すぎる。
俺含め、全員が口を揃えて「ほぁ…」って声に出るくらいやばいの笑。
流石にこの広さで迷子になったらやばいから、Aは抱っこ紐でホールドして、あとのチビ達はしっかり手を繋いで座席を探す。
昨日照から、大会出場者の家族は席が決まってるって聞いたけど…。


「辰兄！！こっち！！」


俺の名前を呼ぶ声が聞こえてそっちに振り向くと、手を振る照を発見！
皆も照を視界に捉えたらしく、手を繋いでるチビ達にグイグイと腕を引っ張られる笑。


「「「ひーくん！」」」

「おー！よく来たな！」

「照ぅ！元気だったかー！」

「ずっと電話してたじゃん笑」

「頑張ってね、応援してる！」

「ありがと！」

「頑張ってね」

「頑張れ」

「ちゃんと見てっからなぁ、照！」

「いひ笑。ありがと！」


うん、やっぱ皆揃うといいね！
皆で1週間ぶりの再会を堪能してると、俺の胸元で早く降ろせと言わんばかりにモゾモゾ動く子が笑。
1番、照に会いたがってたもんね笑。

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