大号泣 ページ22
翔太:side
急げ、急げと、乱雑に靴を履いて出て行こうとする3人に手を伸ばすA。
「ひちゃ！んん！」
「ごめんね、A。行ってきます。良い子でね」
「んやぁ！ちゃあ！」
「ごめん、Aの事お願いね。行ってきます」
「皆、良い子でね！行ってきます！」
照に抱っこされ喜んだのもつかの間、一瞬にして照の抱っこから俺に引き渡された。
それに納得するはずもなく、怒り出す。
照、照とでっかい目に涙を溜めながら、必死に手を伸ばすも、頭を撫でられるだけ。
バタバタと家を出て行った3人。
ドアが閉まった瞬間に、家中に響き渡るAの泣き声。
「落ち着け、落ち着け。…っちょ！そんな反るな！落ちる！」
「んぎゃああああああ！！」
「よしよし、寂しいね。バイバイ出来て偉いよ」
「A！遊ぼ！」
「ほら！Aの大好きなお人形！」
「それか積み木する？」
「絵本読んであげよっか？」
Aの機嫌を取る為、Aの好きな物で気を引こうとみんな必死。
けど、それさえも拒否して泣き続けてる。
叫び散らして喉切れんじゃねぇかって、そっちの方が心配になってきた。
皆であやしてあやしてあやしまくって、最終的には抱っこ紐すら引っ張り出してあやす。
ずっと抱っこじゃ、腕きついからな。
抱っこ紐で抱っこして、横に揺れたり背中トントンしたりして、感覚的には何時間も経ったくらいに、漸く泣き声が落ち着いてきた。
それでもまだ、しくしくって効果音が似合うくらいには泣いてる。
「ふふ笑。いっぱい泣いて疲れたね。ほら、ちょっと水分取りな？喉乾いたでしょ」
「…寝そ？」
「うん、目がトロンってしてる笑」
「あんだけ泣けば、疲れるわな笑」
フードカバーでAの顔が見れないから、涼太に様子を実況してもらう。
やっぱ泣きすぎて喉が渇いてたのか、ストローを吸う音が聞こえる。
「…ん、良く飲めました。眠たいね。皆いるからね、おやすみ」
そう涼太が声を掛けてすぐに、規則正しい寝息が聞こえてた。
「寝たよ」って涼太が弟達に報告してくれて、皆もホッとしたような表情をした。
このまま抱っこでもいいけど、どうしようかって迷っていると、服の裾を引っ張られる感覚。
そっちを見れば、真都が居て和室を指差しながら一言。
「翔ちゃん、お布団敷いたよ！」
って。
和室を見ると、亮平、康二、蓮が布団の周りにAが好きなぬいぐるみを並べていた。
賢すぎるだろ、俺達の弟達。
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字の人(プロフ) - まり姉さん» ご指摘ありがとうございます！訂正致しました！ (12月27日 23時) (
レス) id: 0e5c101207 (このIDを非表示/違反報告)
まり姉(プロフ) - ぎゅーのところで最初のあだ名表記が(渾名)ってなってます (12月26日 14時) (レス) @page32 id: 632dd79117 (このIDを非表示/違反報告)
字の人(プロフ) - 糸山露子さん» とても嬉しいお言葉、ありがとうございます☺️兄組の恋愛事情とは、兄組が恋人を作って…という感じでしょうか？ (8月7日 12時) (レス) id: 4cf28724e5 (このIDを非表示/違反報告)
字の人(プロフ) - 友里花さん» コメントありがとうございます☺️今のところ、1歳の1年間で完結させようかな…と考えております。 (8月7日 12時) (レス) id: 4cf28724e5 (このIDを非表示/違反報告)
糸山露子(プロフ) - なんかこの兄弟可愛いやんしっかりお世話もしてるしでも兄組の恋愛事情も知りたいかな (8月2日 19時) (レス) id: b4b34b6799 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：字の人 | 作成日時：2023年7月27日 23時
