ちいさな宝物。夏

リクエストした君だけに ページ20

涼太:side



「…っと。うん、綺麗に出来た」


亮平のリクエスト、甘い卵焼き。
均等になるように切り分け、お皿に盛っていく。
いつもは大皿に盛るんだけど、今日は個別。
一皿ずつ盛っていって、1人分だけ2つ、多く盛る。
これは亮平の分。
なんたって、リクエストした本人だからね笑。
後は魚焼いて、お浸し作って…。
あ、お漬物も切らなくちゃ。
味噌汁…うん、いい塩梅。


「涼兄、なんか手伝うことある？」

「俺も手伝うよ〜」

「辰哉兄さん、照。ありがとう。じゃあ、照はお漬物切ってもらっていい？辰哉兄さんはお浸し用のほうれん草、搾ってくれる？」

「「了解」」


お風呂から上がった2人が手伝ってくれて、ありがたい笑。
2人と一緒にAも入ったらしく、今は翔太によって徹底的なスキンケアを受けてるらしい笑。
そしてなんと、翔太と俺以外の5人で今風呂に入ってるんだって笑。
風呂場からは、「せまーい！」なんて笑い声混じりの声が聞こえてくる。
楽しそうでなにより笑。


「よし、スキンケア完璧」

「んば！」

「んふふ笑。もちもちだねA」

「きゃはは！」


スキンケアを終えた2人も、キッチンに集合。
つまみ食いしようとする翔太を止めながら、夜ご飯を3人で作っていく。


「よし、完成！テーブルに運んでくださーい」

「うわ、うまそ…」

「あれ？涼太ぁ、これちょっと多くね？」

「あ、それは亮平の分。今日の卵焼きは、亮平のリクエストだからね笑」

「なるほどな笑」

「けど、チビ達文句言いそうだな笑」

「いっちゃんだけ多い！とかね笑」

「確かにね笑。でもね、弟が生まれてから亮平ってあんまり甘えてこなくなっちゃったなって思って…。だからさ、聞いてあげられるお願いは聞いてあげたいなって」

「ん〜、優しいなぁ涼太。けど、涼太だって俺にとっては弟だし、ワガママ言っていいんだよ？もちろん翔太、照もね」

「にいちゃあん、俺、欲しい美容液あんだけど」

「ちょっと笑。それとこれとは違うでしょ笑」


なんて笑い合いながらご飯の準備を済ませたら、丁度お風呂組が上がってきた。
温かいうちに食べようかって事で、皆それぞれ席に着く。
挨拶をして食べ始めると、案の定、亮平の分が多くて羨ましがっている蓮と真都。
他の兄組もやっぱりって感じで、辰哉兄さんと翔太が自分の分を2人にあげていた。
こういう所、甘いよね笑。
まぁ、俺もあげちゃうんだけど笑。
この甘さは兄譲りかな？

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