ちいさな宝物。夏

やられた ページ18

辰哉:side



あー、涼しい…。
クーラーってすげぇなぁ。
朝からめっちゃ働いて、昼飯食って、朝頑張ったからまだゆったり中笑。
俺の隣には、同じく朝からこき使われた翔太がウトウトしてる笑。


「翔太ぁ、寝るなよ笑。後でプール合流すんだろぉ？」

「…ん？……ぅん。ねみぃ…」


カクカクと首を揺らす翔太に、笑ってしまう。
そんな翔太を横目にテレビを見ながら、いつプール組に合流しようか考えていたら___。


「ちょっ！！A！危ないから！！戻っておいで！！」


そんな大介の焦った大声が、縁側の方から聞こえてきた。
この声に、ウトウトしてた翔太も目が覚めたみたいで、2人して目を合わせて、急ぎめに縁側の方へ駆け出した。





「どした？！何があった？！」

「何どうし……。って！なんでAそんな所にいんだよ！」

「う？」


焦って縁側から外を見ると、何故かプールの外の地面、つまり陽の当たるところにAが座り込んでいた。
美容に厳しい翔太が、陽の当たっているAを見て騒がないはずがない。
真っ先に縁側から飛び出し、Aを抱き上げた。


「なんでAが陽、当たってんだよ！焼けるだろ！何のために屋根立てたと思ってんだよ！！」

「つか、なんでAがそんな所に座ってんの？え？てか、どうやってプールから出たの？」

「ふっふっふっ！よし！やれーー！！」

「「「うりゃー！！！」」」

「ぶわっっ！！ちょっ！やめっ！！！」


俺ら2人の疑問には誰も答えず、代わりに大介の合図のような掛け声を筆頭に、末っ子組3人に水鉄砲で攻撃され始めた翔太。
意味が分からず、ぼーっとそれを眺めていると誰かに腕を引っ張られる感覚がして、身体が傾く。
え？っと思った時には遅く、俺はプールに落っこちた。


「……っぶは！！ごほっ！鼻入った！何！？え？！なに？！」

「にゃはははははは笑！いえーーーい！大成功！！」

「「「「いえーーーい！！」」」」

「「……は？」」


本当に意味わかんない…。
一体何が起こったの？


「え、ガチでなに？」

「2人が遅いから、末っ子組が不貞腐れてたんだよ！遊ぼうねって言ったくせにねぇ。だから、罰ゲームでーす！笑」

「「「でーす！」」」

「……あーね、やられた笑」

「最悪だわ笑」


まさか、末っ子組が拗ねてたとは。
ちゃんと遊べー！って大介に怒られて、ちょっと反省笑。
この後、びしょ濡れの服からお揃いの水着に着替えて、ちゃんと遊びました笑。

2人だけでお買い物→←作戦決行！

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