ちいさな宝物。春 (ページ49)

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3泊4日の最終日！ページ49

辰哉:side

ペチペチペチ…そんな音が耳元に届く。
まだ覚醒しきっていない意識の中、重たい瞼を開く。
視界に入ってきたものは、俺の頬をペチペチと楽しそうに叩くA。

「…Aく〜ん？なぁに、起きちゃったの？」

「きゃは！あぶぇ！」

「ちょっ、まっ、地味に痛い…」

俺が起きた事に気を良くしたのか、さっきよりも強めに叩いてくる。
痛い…。
起き上がり、Aを胡座をかいた足の上に座らせて、時間を確認する。

「6時か…。早いねぇ、起きんの」

「う？」

「まぁ、帰る準備もしなきゃだしいっか！」

Aの頭を撫でつつ周りを見ると、まぁ皆寝てるわな笑。
確かこの宿を出るのは、午前9時。
朝ごはん食べて準備してって考えたら、起こすか。

「よし。A、皆のこと起こすか」

「う！」

ってことで、順番に起こしていく。
勿論、Aがね笑。
そしたらもう皆の顔が、寝起きなのにでろっでろに甘い笑。
Aも起こす度に、ぎゅーって抱っこして貰えて楽しそう笑。

「よし！次は康二…あれ？え？康二いないよ？」

「え、嘘！」

「どこ行った？」

「ちょっ！翔太起き…ろ…」

大介が康二の布団を捲ったら、そこに誰もいなくて。
焦って、横に寝ていた翔太を起こしながら布団を捲ると、なんとまぁ、驚いたよ。
何でって、2人で抱き合って眠ってるすっげぇかぁいい光景が目の前に広がったんだから。

「え、何これ。めっちゃ可愛いじゃん」

「ちょ、写真！写真！」

「早く起きちゃう！」

ここぞとばかりに、素晴らしい連携プレーを見せた俺らを褒めて欲しい笑。
大介が連写しまくってると、モゾモゾと動く翔太。

「…ん、なに」

「あ、おはよぉ翔太」

「お兄ちゃんしてるねぇ、俺も一緒に寝たかったなぁ」

「は？なに…」

自分の状況に気付いた翔太は、どんどん顔が赤くなっていく笑。
それすらもかぁいくて、弄っちゃうよね笑。
そんな俺らの声で、康二も目を覚まして。

「翔ちゃんがな、一緒に寝てくれてん！」

ってめっちゃ嬉しそうに教えてくれたから、皆にかぁいいって抱きつかれてた笑。
そうやって兄弟愛を確かめてたら、時間が結構経ってたみたいで、せっかくゆっくり帰り準備する為に早めに起こして回ったのに、結局時間ギリギリでバタバタと準備する羽目になりました笑。

けど、こうやって皆で旅行ってやっぱり楽しいね。
また皆で、たくさんの色んなところに行こうね笑。