ちいさな宝物。春 (ページ28)

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公園ページ28

涼太:side

「あー、太陽照ってる…焼ける」

日焼け対策万全の翔太が、なんか嘆いてる笑。

今は、お留守番組全員で、散歩がてら近くの公園へと向かっている。
Aくんは抱っこ紐で抱っこしてるんだけど、キョロキョロずっと頭を左右に振っている。
そして、下3人はすっごいはしゃいでる笑。

「にぃたち！公園着いたで！遊んでいい？」

「いいけど、喧嘩しないで仲良く遊ぶこと。他の子たちと順番で遊具使うこと。危ない事しないこと。分かったか？」

「「はーい！」」

「大丈夫やで！俺もう中学生やもん！」

じゃ、行ってこいって翔太に言われ、テンションが高くなった3人が遊具へ一目散に走っていく。
昼前だけど、休みだからか数組の親子も遊びに来ていて、挨拶を交わし合う。

「俺、彼奴らの方見てくるわ」

「うん、ありがとう。…よし、ここでいっか。Aくん、滑り台する？」

「あぶ！」

3人を見てくれるという翔太に3人をお願いして、俺はAくんが遊べる遊具へと向かう。
家庭における様な小さいサイズの滑り台のところで抱っこ紐から下ろし、滑るか聞くと、目をキラッキラにさせて滑り台を凝視していた。

「あきゃー！！」

「ふふ笑。楽しいね」

滑り台自体小さいけど、自分で滑ることはまだ出来なさそうだから、脇の下に手を入れて補助しながら滑らせる。
キャッキャと声を出して、楽しんでる笑。
何度か滑って飽きたのか、今度はブランコを指さしている。

「あーぅ」

「ん？ブランコ行きたいの？行こっか」

「あぶ！」

抱っこして！って手を伸ばしてくるから、仰せのままに抱き上げる。
持ってきていたマグボトルで水分補給をさせつつ、ゆっくりと目的地のブランコを目指す。
丁度空いていたブランコに乗せて、軽く揺らす。
ベルト付きのブランコだから、Aくんも乗れてとても満足そう。

「あ！Aくんブランコのってる！ぼくものる！」

大声を上げながら、ブランコに猛ダッシュで近付いてくるのは真都。
その後ろから蓮、康二が走って追いかけてきて、少し遠くの方で翔太が歩いているのが見える。

「真都、乗れる？」

「のれるよ！見てて！…んしょ、ほら！」

「ん。上手だね」

「えへへ笑」

「真都、押してやるからあとで代わって！」

「いいよ！」

翔太の言いつけ守って、偉い弟たちだなぁ…。
皆、楽しそうでよかった。