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瑠香 「起きるかな？」音弥 「さぁ…」
友情の意味 ページ15
(9月中旬)
街に倒れていた同い年ぐらいの男を見つけて一緒に家に連れて来た。
丈一郎 「っ…」
音弥 「ん？あっ、瑠香！」
瑠香 「何？」
丈一郎 「ここは？」
瑠香 「起きた？」
丈一郎 「え？」
音弥 「1週間ずっと眠っていたから心配したよ。」
丈一郎 「1週間？あんた達は？」
瑠香 「あ、そっか。まだ名前を言ってない。俺は五川瑠香 。」
音弥 「渡里音弥 と申す。」
丈一郎 「(五川…渡里…)」
音弥 「お前は？」
丈一郎 「お、俺…」
自分の名前は何なのか分からないんだが、思い浮かんだ名前は1つある。
丈一郎 「ふ、藤原丈一郎…」
瑠香 「(藤原…)」
音弥 「じゃあ、長いから丈くんって呼んでいい？」
丈一郎 「え？まぁ、いいよ…」
瑠香 「でも、なんで外に倒れていたの？」
音弥 「そう。しかも川に。」
丈一郎 「え？川？」
必死に考えたが、何も覚えてない。
丈一郎 「俺、一体…」
音弥 「名前だけ覚えているってこと？」
丈一郎 「…」
瑠香 「年齢は俺たちと同じに見えるけど。」
丈一郎 「何歳？」
瑠香 「17歳。同じく2月8日に生まれた。」
丈一郎 「同い年に同じ誕生日…」
音弥 「じゃあ、丈くんも誕生日を同じ日にしない？」
丈一郎 「え？」
音弥 「だって、友達でしょ？それに、記憶が戻るまでそうするのがいいと思って。」
丈一郎 「友達…」
瑠香 「とにかく！買い物行かない？」
丈一郎 「え、買い物？」
瑠香 「だって、ずっとあの服だったじゃん？新しい服を着て丈くんが覚えることを探すんだ。」
音弥 「いいね、それ。」
丈一郎 「それっていいの？」
瑠香、音弥 「ん？」
丈一郎 「だって、俺は見知らぬ人でしょ？」
音弥 「だからって何？」
丈一郎 「え？」
瑠香 「そうだよ！丈くんは覚えていることはあまりないから助けたいんだ。それが友達。」
丈一郎 「(それが友達…)」
『行こう、丈くん！』
『早く！』
『分かったよ！』
丈一郎 「あ、ありがとう。よろしくね、瑠香。音弥。」
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作者名：時音 | 作成日時：2023年10月7日 11時
