espoir (ページ9)

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．滝沢side

チリンチリンと音をたててドアベルが鳴った。
『いらっしゃいませ。カウンター席へどうぞ。』
バーテンダーの姿のAがカウンターの中に居た。

滝沢：絶対ヒロミさんの方が早いと思った(笑)

『ヒロミさん、ちょっと遅れるって連絡がありました。』

滝沢：そっか！！
この頃にはAと打ち解けて普通に会話するようになっていた。

『先になにかお飲みになりますか？』

滝沢：ヒロミさん待つよ！あ、アップルジュースちょうだい。

『かしこまりました。』

すぐにアップルジュースが出された。

滝沢：これ、シャンパンなんだけどヒロミさん来たら3人で飲もう！

『ありがとうございます！！』
Aにシャンパンを渡す｡

滝沢：ヒロミさん来るまでに冷えるかな…？

『微妙ですよね…』
Aはシンクでタオルを濡らしている。そしてシャンパンに巻いた。そして冷凍庫へ…

滝沢：えっ！？

『一番早く冷えそうなので…』

滝沢：そうだけど…

『最終手段です。』

意外とAは大胆なところもある。
その思いきりの良さが良かったりもする。
30分ぐらいしてヒロミさんが来た。

ヒロミ：おまたせ！！Aおめでとう！！
ヒロミさんからサインプレートを渡されるA｡

『ありがとうございます！！！』

滝沢：じゃあ俺からも…
袋からラッピングされた箱を出し渡す。

『開けていいですか？』

滝沢：うん

『うわー！！！カルトン！！オシャレ！！ありがとうございます！』

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客：お会計お願いします。

『はい』
会計の時にAちゃんらポケットからカルトンを出した。

『ありがとうございました』

お店には俺とAの二人になった。

滝沢：そのカルトン使ってくれてるのね。

『はい、滝沢さんからのいただき物ですから大事に使わせていただいています。』
Aは優しく微笑んだ。
この笑顔にとても癒される。

『滝沢さんがこのカルトンにお金を置く日はいつになるのかとても楽しみですよ？』
なんて言いながら片付けを始めた。

滝沢：まだまだ先かな？

『そんなさみしいこと言わずにお店に顔出してくださいよ！』

滝沢：ふっかと同じ日には絶対来たくない(笑)

『来る日に連絡頂ければ深澤さんがいらしているかお教えしますよ！』

滝沢：そうしてもらおうかな(笑)俺たちの関係も秘密にしておいて！

『承知しました。お店閉めてきます。』

滝沢：うん。

Aは閉店準備を始めた。

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