espoir (ページ13)

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岩本さんに手伝ってもらってクマノミの引っ越しは完了した。

『お手伝いいただきありがとうございました』

岩本：いいえ！

『もしよかったらお礼にお昼作らせてください。』

岩本：いいの？？

『オムライスでもいいですか？』

岩本：うん。

カウンター内でオムライスを作る。
1つのフライパンでチキンライス､もう1つのフライパンで簡単なソースを作る。

岩本：バーにしてはいろいろ揃ってるよね。炊飯器まであるし。

岩本さんはカウンターに入ってきた。
そしていろいろと物色中…

『店舗兼ほぼ自宅なので…』

岩本：そうなの！？！？

『はい…。って言っても上の階ですけど…。』

岩本：俺が家知っちゃって良かったのかな…？

『まぁ…大丈夫です！岩本さんみたいなバーテンダーさん居そう(笑)』

岩本：そう？

『はい(笑)スタイル良いし、雰囲気も大人っぽいですし…』

岩本：Aちゃんに褒められるも照れくさい
そう言って照れくさそうにしている岩本さん。

『岩本さんが立ってるところの下の戸棚からお皿出してもらえますか？』

岩本さんは戸棚を開けた。

『白いやつ…2枚お願いします』

岩本：はーい

お皿を二枚出してもらい元々冷蔵庫に入っていたサラダを盛り付けてチキンライスをタマゴで包みオムライスを盛り付けた。

盛り付けると岩本さんはカウンターから出て椅子に座った。

『アイスティーとアイスコーヒーしかないけどどっちがいいですか？』

岩本：アイスティーで…

『ミルク？レモン？』

岩本：ミルク。

グラスに氷を入れて冷蔵庫から紅茶の入ったピッチャーを出しグラスに注ぎコースターを置いてアイスティーと一緒にミルクとガムシロップを出した。

岩本：いただきます。

『どうぞ！！』

岩本：美味しい！

『良かったです』

オムライスを食べ終えた時岩本さんのスマホが鳴った。

岩本：阿部との約束忘れてた…
硬直している岩本さん。

『早く行った方がいいですよ！！』

岩本：そうだよね…オムライス美味しかったありがとう！

そう言って岩本さんは残っていたミルクティーを飲み干すとバッグを持ちほぼ同時に立ち上がった。

岩本：じゃあ！

『またいつでもいらしてください』

岩本：うん。ありがとう。

岩本さんはそう言って荷物を持ちドアに向かって歩いて行ってこちらに振り返り手を振ってお店を出て行った。

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