Christmas Story【雪】

赤鼻のトナカイさん【橙】 ページ15

*＊








「こーじくん。」


康「ん？どうした？」


「今年のクリスマスはお仕事早く終わりそう？」








俺の彼女が可愛らしく小首を傾げている。







康「んー、なんかトラブルがなければ18時には帰って来れると思うで。」


「じゃあさ、」








彼女はモジモジとスマホを両手で抱えている。








「ここ行きたい、」









そう言って見せたのは都内のイルミネーションだった。









康「イルミネーション見に行きたいん？」


「うん、こーじくん忙しいの分かってるから言えなかったけど、やっぱり一緒に見たいなって思って....」


康「分かった。Aの為に全力で仕事終わらせてくるわ！」


「本当？」


康「仕事終わったら直行するから、待ち合わせしよう！な？」









そう告げると嬉しそうに首を縦に振る。


そんな彼女の笑顔を見る為やったら、イルミネーションでもなんでも行ったるわ！








.








....って意気込んでたのに、









康「はぁ？足りひんってどういうことやねん！」


後輩「すみません！」








発注数のミスが発覚し、まさかのトラブル発生。


関係各所に連絡を入れる為に電話してたらついに電池が切れてしまった。









あかん、もう18時過ぎとる....









Aに連絡したいのに....









連絡が出来ない以上、とにかく最短で仕事を片付ける以外なくて、必死で片付けた。









康「あと任せた！」









戸締りの確認などを後輩に任せてそのまま待ち合わせ場所まで走って行った。









冷えた空気が肺に入って痛い。


いつもよりも断然苦しい。


でも、早く彼女に会いたくて身体は勝手に動いてしまう。









あかんあかん、はよせな、









待ち合わせ場所まであと数十メートル。





.

＿→←＿

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す