月ヘト願フ【赤髪の白雪姫】 (ページ30)

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「お嬢ちゃん、観光？楽しんでくれよ！」

「いらっしゃい！観光かい？ゆっくりしてってね！」

「お、見ない服装だな！ここはいいとこだ、ゆっくりしてけ！ついでに姉ちゃんだけにおまけしてやるよ！」

いろんな出店に訪れる度、「楽しんで」「ゆっくりして」など声をかけられる

あぁ、この街の人々は優しいんだな･･･なんて思っていると装飾品を売っているお店を見つけた

売り物を観ているとふと一つのネックレスに目が留まった

『わぁ･･･、これ綺麗･･･』

それは小さな雫の形をした淡い水色の宝石がついたネックレスだった

「A嬢、それ気に入ったの？」

『うん！でも、いいや』

ここの通貨を持っていないためネックレスを元の場所に戻し、他の店に行こうとオビに言うと「じゃ、少し待ってて。気になったのあるから買ってくるよ」と返され私は外で待つことにした

店の外に立ちぼーっと街行く人達を眺め、今日あったことを思い返す

なんか今日だけでいろいろあったなぁ･･･なんて考えていると走ってこちらに向かってくる人が見えた

「み、見つけた･･･！めちゃくちゃ、探し、たんだぞ･･･！」

目の前で立ち止まり肩で息をする彼に驚いた

『シン！？何でここに･･･』

「イザナから聞いたんだよ」

呼吸を整え真剣な目で私を見据える

すると店の扉が開きオビが出てきた

手には紙袋･･･ゼンか白雪にあげるのかななんて呑気なことを考えているとシンが「何でお前もいるの」と怪訝な顔でオビに視線を向けた

勿論オビはへらへらした笑顔で「A嬢とデート」と言ってシンを煽る

最終的に二人は笑顔で黙っていた

何故この人達は出会うとこうなるのだろか･･･；

誰かこの状況どうにかして･･･！；