守りたいのなら２ ページ28
シンside
冷ややかな視線を送るがイザナは僕がどう出るか様子を見て楽しんでいる
これはどうしたものか･･･
そんなことを考えていると彼が先に口を開いた
「冗談でもない。本気だよ」
「一国の王子としてその行動はどうかと思いますよ」
「ふっ･･･。そろそろ本心を言ったらどうなんだ？“アレ”が傷つくのは嫌だと」
こいつのAに向けて言った“アレ”という言葉に寛大な心を持っている僕でもイラついた
「えぇ、もちろん。彼女は僕にとって大切な人だ。だから彼女を犠牲にするのも嫌だし、そのモノみたいな扱いの言葉にも腹が立つ」
僕のその言葉を聞いてイザナは一層笑みが増した
その表情にこいつはこれを狙っていたんだと悟った
「シン、彼女を守りたいんだろ？なら守ればいい」
「は･･･？」
イザナの言葉に耳を疑った
「守ると言ってもお前が彼女の騎士になるのではなく、彼女自身が自分を守るんだ。そうすれば大抵の危険からは身を守れる。どうだ？」
さっきまでAを置いておけないと言っていたくせに･･･
一瞬自分が神の力を使ったかと思い、先程までの会話を思い返してみるがそんなこともなく･･･
「少しお前で遊んでみたかった。なかなか面白かったぞ、シン」
まぁ満面の笑みを浮かべやがって･･･
一応、僕は神だから読心術を使おうと思えば使えるが、さすがにこれは面白くないから能力つけてこなかったのが裏目に出た！
そんなことを考えていると、イザナは僕の横を通り過ぎると同時に頭を撫で「彼女を頼んだぞ」と囁かれた
「もちろん、お任せください」
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作者名：snow | 作成日時：2015年11月29日 1時
