売買 ページ24
オビside
木の枝に凭れながらさっきのことを思い出す
＝−＝−＝−＝−＝−＝−＝−＝
「Aの過去を聞くのは止めてもらいたいんだ」
俺は目の前の作り笑いをするあいつを睨みつけた
「彼女にもいろいろあるからね。君はAのことを知らなくていい。知る必要などないんだよ」
その時の表情はいつもより嫌な感じがした
「知る必要はない？何であんたに言われなきゃいけないの？」
「君にそのことを話しても意味ないよ。彼女を変えるのは君じゃない。僕なんだ。君は余計なことはしないでただいつも通りの生活をしててほしいな」
＝−＝−＝−＝−＝−＝−＝−＝−
そういうとシンは元来た道を戻っていった
ああいうことを言われると余計に気になるんだよな
悪い笑顔を浮かべながら考えていると城の外に出るA嬢を見かけた
「A嬢？何で外に･･･」
不思議に思い、木から降りてA嬢の後を追いかけた
Aside
私はウィスタル城から出てクラリネスの街を歩いていた
先程まで溢れそうになっていた涙を拭って辺りを見渡す
「あら？貴方観光客かしら？」
『え、あ･･･はい』
すると、一人のおばさんに話しかけられ返事をした
「そうなのね。この国はすごく綺麗でいい所だけど、人を攫って売買する悪い人もいるから気を付けてね」
人で売買？そういえば、白雪も何度もそんなことされそうになってたな
そのおばさんの言葉を肝に銘じてまた街を歩き出した
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作者名：snow | 作成日時：2015年11月29日 1時
