月ヘト願フ【赤髪の白雪姫】 (ページ23)

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出て行け２ページ23

「ほう･･･」

イザナは目を細め私の話を聞く

ここに居たい理由は簡単

何かと側に居た方がお互いにいいからだ

だけど、これは言えない理由

少し考え別の理由をイザナに話す

『私はこの国のことを何も知りません。だから、シンが･･･彼が今の私にとっての唯一の頼りなんです。･･･お願いです、何でもしますからこの城に居させてもらえないでしょうか！』

頭を下げ我ながら良い理由を考えたなと心の中で関心しながら、そっとイザナの表情を盗み見る

しかし彼の表情は来た時と同じだった

「訳はそれだけか。･･･もう良い、顔を上げろ」

恐る恐る顔を上げるとイザナはため息を吐き、近くに居た衛兵にあることを命じた

「シンをここに連れて来い。この娘と共に城から追い出す」

私は突然のことに驚いた

イザナはそんなに私をここに置きたくないんだ

そう思うとすごく胸が痛くなった

衛兵がこの部屋から出る前に止めなきゃ･･･

待ってくださいと言うと衛兵は立ち止まり、イザナは私に視線を向けた

『私が出て行けばシンはここに居られるんですか？』

「あぁ、そうだな」

『なら、今すぐこの城から出ます。それでシンがここに残れるなら構いません･･･』

イザナは納得したのか微笑んで見せる

それはとても綺麗だったが、私はそれよりも胸が苦しくて痛かった

耐えられなかったけど、これが当然なんだ

――――だって私はここの人間じゃないんだから･･･

そう言い聞かせ私はイザナに一礼し部屋を出た

溢れそうになる涙を抑えながら･･･