月ヘト願フ【赤髪の白雪姫】 (ページ18)

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聞かれたくないこと３ページ18

シンside

目を覚ますと、ベッドにはAが寝転がっていた

規則正しい寝息を立てて･･･

そっとソファーから立ち上がり、Aの顔を覗き込んだ

「浮かない顔して、さっきまでの元気は何処行ったんだ」

誰にも聞かれず消えていく言葉、彼女の表情から何があったのか読み取る

誰かに過去に関して何か聞かれたのか･･･？

誰かと考え浮かんだのは黒髪の猫目、こいつしかいないだろう

ため息を吐きベッドに座って窓の外を見ると、日も暮れかかっていた

そろそろ僕の仕事が始まる

ふと甦る月を見上げる彼女の顔･･･

そして僕があの日誓った言葉

「いつか君を笑顔にしてみせる･･･」

悲し気な君に“恋”をした僕は―――

この気持ちが叶わないと分かっていても、彼女の側で、彼女を救いたくて守ってやりたくて･･･―――

君の前に現れた―――

「君には迷惑な話かもしれないけど･･･僕の我儘に少しだけ付き合ってよ」

寝ている君に話しかけても当然返事は返って来ない

そっと髪に触れると愛しいと思う気持ちが溢れて来た

しかし、それを抑えるために座っていたベッドから立ち上がり、窓際に向かう

文字が書かれた紙を机に置くと、僕は窓を開けその場から姿を消した

―少し神様の仕事に戻るよ。朝になったら帰るから、それまではおとなしく部屋で寝てて―