Snow at Hearts . .

07. 苦しさを分けて (あべさく) ページ7

宮舘 side


阿「お前、バカじゃねーの！！？」



廊下にまで大きく聞こえる阿部の声。


そこで会ったふっかと顔を見合わせ、どちらからともなく控室へ向かう足が速くなった。



深「ちょっとちょっと、落ち着いて？どうしたの？」


なんて優しく声を掛けるから、俺は辺りを見渡し何となくわかった気がする。



舘「佐久間、具合悪いの？」



静かに座るその様子からそれはもうほぼ確信で、当然「うん」と返事があると思ってた。



阿「一過性の喘息。」



なのに阿部からの返答はまさかの言葉で、たった今入って来た他のメンバーもその言葉にビックリしてる。



阿「それも一週間ぐらい前から自覚症状あったのに、今日まで放置してたんだよ！？」


翔「そうなの佐久間？」


だんまりを決め込んでる本人とは裏腹に、


阿「そうだよ。咳出るなー、なんか苦しいなーって思うのに、普通一週間も放っておくか！？」


阿部のイライラはまだ収まらないらしい。


目「喘息ってそんなヤバいんすか？」


阿「ヤバいよ。下手したら死ぬよ」


目「えっ‥佐久間くん、それは‥」



なんて、だんだんヒートアップしていく中、



ラ「そんなに佐久間くん責めないで！！ずっと仕事だったじゃん！！」



ソファーに座るその肩を守るように抱きしめて、一際大きな声を荒げたのはうちの最年少だった。




阿「‥ラウール」


その叫び声にはさすがの阿部も冷静になり、


阿「ごめん、でも俺の気持ちもわかって‥」


と、今度は懇願する。



その縋るような姿に何かを感じ取ったふっかは阿部を連れ出し、ここに残ったのはイマイチ情報を掴みきれてない6人と、佐久間。



何も話さないかな‥と思っていたら、


佐「俺さぁ、阿部ちゃんみたいに頭良くないから、まさか自分の体がこんな緊急事態だとは思わなくて‥苦笑」


彼らしい明るい口調で教えてくれた。



今は連日舞台があって、無理矢理作ろうと思えば時間は作れたんだけど、まぁ別仕事で休演日になる今日でいいかなって。


佐久間的にはちゃんとスケジュールを組んで、放ったらかしにしてたつもりはなかったみたい。


だけど本人も喘息っていう予想外の診断に戸惑ってしまい、不安を抱えながら阿部に話したら‥、ね。



佐「なんか地雷踏んじゃったみたい‥苦笑」


と、俯いてしまう。


舘「まぁ、阿部も佐久間と一緒でビックリしたんだと思うよ。」


照「そんな落ち込むなって」


と、励ましてみる。

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