01. 言葉にできない思い (ゆり組) ページ1
翔太 side
やってしまった。
これはもう完全にやってしまった。
翔「りょ‥た、」
熱を発した気怠い体で必死に彼の姿を探すけど、お目当の顔を捉えることは出来ない。
そりゃそうだ。
だってさっき、涼太は俺に愛想を尽かして楽屋を出て行ってしまったんだから。
照「舘さんならふっかが追いかけて行ったから大丈夫だよ。ほら、ちゃんと寝転んで目閉じな?」
探すことに夢中になるあまり、起こしてしまっていた体を倒されるけど、当然寝る気になんてなれない。
約束を破ったのは、俺。
せっかくの助け船を蹴り返したのも、俺。
いつだって優しく気にかけてくれる涼太なのに、意地張って心ない言葉が溢れたんだ。
涼「熱あるなら言ってよ、心配だから。」
翔「微熱だったもん‥」
涼「微熱でも熱でしょ?大丈夫?寒かったりしない?」
翔「‥‥‥。」
涼「‥しょーた?」
翔「大丈夫だから言わなかったんだよ!!てか、涼太が勝手に言ってるだけで熱出したら報告なんて約束、してねーんだよ!!!」
と、口走りハッと気づいた時既に遅し。
涼「‥あぁ、そう。じゃあもう勝手にすれば」
見たこともないような冷たい目を向け、バタンと音を荒げて出て行った。
阿「泣くってことはわかってるんでしょ?素直になりなよ、何で意地張っちゃうかなぁ‥」
なんて言葉に堪えていた涙が溢れ出す。
阿「え、ちょ、ゴメン。そんな泣かないでよ」
佐「翔太も不安だったんだよね、微熱ぐらいで甘えちゃっていいのかなって」
と、背中をさすってくれる佐久間が今日はやけに大きく見える。
翔「‥くま」
佐「くま?‥あぁ、涼太今日クマ酷かったもんね」
態度になんて出さないけど、きっと昨日も夜遅くまで仕事をしていた涼太の負担にはなりたくなかったから。
そう、ちゃんと言えたら怒らせることなんてなかったのかな‥
じわじわと上がっていく体温に滅入りながらも、一度溢れ出した涙はそう簡単に止まらない。
照「だいじょーぶ。大丈夫だって、舘さん翔太のこと嫌いになったりしないから」
ガシガシと痛いぐらいに髪を撫でてくれる照も。
目「翔太くん、一旦泣き止みません?苦しくなっちゃいますから」
これでもかってぐらい、眉をハの字にして心配してくれている目黒も。
ちゃんとその気持ちは届いてるんだけど‥
翔「りょ、た‥」
今は他の誰でもなく、涼太の顔が見たい。
.
1620人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ぱいなっぷる(プロフ) - 優希さん» 大変お待たせしましたが、頂いたリクエストを元に作ったお話の更新目処が立ちましたのでお知らせします!【2】の77〜で、泣き虫舘様の為に色々と盛り込んだので「思ってたのと違う‥」とならないか不安ですが、お読み頂けると嬉しいです(^ ^)よろしくお願いします☆ (2019年11月17日 8時) (レス) id: 2650afa384 (このIDを非表示/違反報告)
優希(プロフ) - 分かりました!焦らずぱいなっぷるさんのペースで大丈夫です^^頑張ってください!!応援してます!! (2019年11月10日 4時) (レス) id: 3b2192a408 (このIDを非表示/違反報告)
ぱいなっぷる(プロフ) - 優希さん» こんばんは、いつもありがとうございます!大変申し訳ないのですが、まだ追いついてなくいつになるかという目処は付いていないのが現実です。気長にお待ち頂けると嬉しいです。よろしくお願いします! (2019年11月9日 20時) (レス) id: 2650afa384 (このIDを非表示/違反報告)
優希(プロフ) - いつも楽しく読ませて頂いてます。最速するようですみません!リクエストいつ頃になりそうですか?ご迷惑でなければ追加のリクエストで、だてこじの両片想いが見たいです!!恋のキューピットは阿部ちゃんでコンサート終わりの打ち上げでくっつくお話をお願いします!! (2019年11月9日 12時) (レス) id: 3b2192a408 (このIDを非表示/違反報告)
ぱいなっぷる(プロフ) - ドリチャさん» リクエストありがとうございました!たまには実は続いててもいいかな‥と、繋がったお話作って見ました!そして、新しいリクエストもありがとうございます!妄想が膨らみます♪順番に作っていきますので少々お待ちくださいませ。よろしくお願いします(^ ^) (2019年11月8日 19時) (レス) id: 2650afa384 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:ぱいなっぷる | 作成日時:2019年10月13日 20時