5章：-無自覚ほど恐ろしいものはない- ページ35
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月白と関わるようになってからそろそろ一年が経とうとしていた。
彼女とはお互いのスケジュールもあるわりには、それなりに接点があった。
たまにラジオの収録終わりに飯を食いに行ったりだとか、同じゲームをやっていたら一緒にネット越しに遊んだりだとか、まぁ、普通の同業者よりは確実に接する機会が多い。
逆に同業者同士だというのに、アフレコという場面で共演する機会は未だ無かった。
実際に顔を合わせるのは事務所で偶然会った時やラジオの収録の時だ。
彼女自身の声優としての姿を画面越しでしか未だに知らないという、同業者同士にしてはなんとも不思議な状態で、個人的にアフレコ時にはどんな彼女の姿が見れるのだろうかと興味があった。
だった、という過去形なのは、今日まさに目の前でそれが叶ったからである。
｢うわ、杉田中村コンビが揃ってる｣
｢それを言ったらそっちはDGSコンビじゃない｣
というか、安元さんを除いたDG5のメンバーが勢揃い状態。
｢中村くんは月白さんと共演するの初めてだっけ｣
｢小野さんも共演済みか｣
｢ちょうどこの間まで一緒でしたんだよ。いや、なんというか色んな意味で面白かった｣
｢月白さんの雰囲気って独特だよねぇ｣
｢中村は特に驚きそうだよな。いちばん素のあの子を知ってるし｣
｢そんなに変わるの？｣
｢まぁすぐ分かるよ｣
杉田も含めた三人は、あの時の月白はああだったの、あそこが面白いだのとスタジオへ向かいながら口々に言い合う。
全く一体何があるのやら。
｢おはようございます｣
黒いキャップにフードのついたパーカーを身に纏う彼女が男4人が固まっているこちらへとやって来た。
｢おはようつっきー｣
｢相変わらずそのコーディネートなんだね｣
｢神谷さん小野さん、おはようございます。単に毎回考えるのめんどくさいだけなんですけどね、これ｣
付けていたピアスを両耳から外しつつ、そう話す彼女。
｢めんどくさいと言うわりにはピアスは取外しするんだね｣
｢付けてないと外じゃ落ち着かないんですよ。万が一収録の時に音が入ったらマズイので外しますけど｣
｢既に個性爆発｣
｢杉田さんほど個性に溢れた人いないと思うんです｣
｢というか、昨日も聞いたけどアレは大丈夫そうなの？｣
｢流石に大丈夫ですよ……仕事に支障はきたさせないのがオタクとしてのモットーですので！｣
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リクス(プロフ) - キュンキュンします、ありがとうございます (2023年1月28日 22時) (
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作者名：豚汁 | 作成日時：2023年1月22日 7時
