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｢出たな今年も地獄のイベントが｣
｢地獄？｣
｢バレンタインイベントですよ……｣
｢ヴァレンティオンか｣
時は少し流れて2月某日。
特筆する事も起きず、収録、トレーニング、ゲーム、たまに中村さんとゲーム、の日々を過ごしていたが、2月といえばあのイベントがリアルでもゲーム内でも開催される季節。
ゲーム内というとやはりFF11も例外ではなく、毎年｢ヴァレンティオン・デー｣なるものが開催されていて、リアルのバレンタインを取り入れているが、ゲーム内ではチョコレートは男女が交換し合うもの、という文化で成り立っている。
クエストを進める際に異性や同種族の人とパーティーを組んでいると評価が上がりやすいだとかいう謎設計がされているのだけど、ぼっちに喧嘩を売ってるとしか思えない。
クリア出来ないことは別に無いので、まぁ良いんだけどさ。
｢バレンタインに恨みでもあるの？｣
｢非リアの僻みも入ってます｣
｢ウケる。月白さんは渡す相手とか居ないの？｣
｢居たらほぼ毎晩ログインしてないと思いませんか？…というか、中村さんこそくれるお相手居ないんですか｣
｢居たら異性とゲームしてないと思うけど？｣
｢なんかすみません｣
｢なに？喧嘩売ってる？｣
軽い殴り合いも板に着いてきて、煽り合いやらキレ芸やら冗談を混じえた会話が増えてきて、より楽しく遊ばせてもらっている最近。
恋人云々以前に、こんなひよっこと遊んでくれる中村さんに感謝と申し訳なさしかないんだけど、それを言ったら
「変な遠慮されるの俺嫌いなんだよね。楽しいから遊ぶじゃダメなの？」
と本気のトーンで怒られたので、それ以降は口にしないようにしている。
｢ゲームでは可愛いアイテムとか貰えればそれで楽しいからいいんですけど、あの、リアルって謎のチョコレート配り文化あるじゃないですか｣
｢ああ、なんか女性陣が大量のお菓子持ってきて職場とか学校で配り歩いてるやつ？｣
｢そうですそれ。今日現場で共演してる女性声優さんたちが何配る？どれにしよう？なんてキャッキャ話してて、わたしも何か用意して渡すみたいな流れになりつつあるんですよね｣
｢何配るの？｣
｢嫌がってるんですけど？配る前提で聞くのやめて貰えます？｣
｢嫌なのか｣
｢当たり前じゃないですか、他人に配るくらいなら自分用にちょっと良いの買ってご褒美に食べますよ｣
｢非リアの発想…｣
｢もしかして喧嘩売ってますか？？｣
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リクス(プロフ) - キュンキュンします、ありがとうございます (2023年1月28日 22時) (
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作者名：豚汁 | 作成日時：2023年1月22日 7時
