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大の大人2人でそれぞれブランコに腰をかけて、無言で夜空を眺める。
シュールというよりは、ちょっと少女漫画みたいな光景だ。
先に沈黙を破ったのは彼の方だった。
｢ごめんね、ここの所忙しくて予定合わなくて｣
｢いや、わたしこそごめんなさい……その、｣
意図的に避けてしまっていた事を吐露すれば、「うん、知ってた」と返されて。
｢俺も、杉田を使って探るようなことしてごめんね｣
｢それこそ、そもそもこちらが悪いので気にしないでください…｣
お互い目は合わせぬまま話は進んでいく。
｢なんで避けてたのか、理由を聞いてもいい？｣
｢え｣
｢いきなり距離感掴めず接しちゃったかな、とか、何か嫌な事言ってしまったかな、とか考えちゃってさ｣
｢いや、そういうのは全然なくて！｣
｢そうなの？…なら良かったんだけど｣
核心は話さぬまま切り抜けられそうかな、と満足した様子の彼に安堵の息をついていると、新たな刃が首元へと突き付けられた。
｢じゃあなんで避けてたの？｣
あれ？もしかしてこれ逃がす気がない感じ？
｢中村さんに一切非は無いので、ほんと気にしないでもらって大丈夫なので……｣
突然足元が暗くなったことに驚いて顔を上げれば、目の前に中村さんが立っていて。
｢俺には聞く権利あると思わない？｣
｢…ええと、｣
｢月白さん｣
｢………はい｣
｢目、逸らさないで｣
優しくも、だがしかし、絶対逃がさないぞという圧を感じるその視線と声に、身体がビクリと跳ねる。
ああ、
｢ほんとにいい声｣
｢え…｣
｢あ、｣
しまった、と口を覆った時にはもう遅く。
｢ちが、いや、あの、避けてたのは単に緊張してしまっただけで、これは関係なく…｣
墓穴！圧倒的墓穴！！！！
なんか余計に誤解を招く発言になってないか？！
｢あ、ああ……うん｣
｢ほんと、すみません……｣
ほんとうにね。
明らかに困っている様子の中村さんに申し訳なさで埋まりたくなる。
｢……とりあえず、もう遅いしそろそろ行こうか｣
｢はい……｣
｢…ここ、です｣
｢あ、うん｣
危ないから、と彼にアパートの前まで送って貰ってしまった。
｢色々ごめんなさい、送って下さってありがとうございました｣
｢どういたしまして｣
おやすみなさい、そう言いかけたところで名前を呼ばれる。
逸らしていた視線を彼へと向ければ、少し緊張したような面持ちの中村さん。
｢明日、一緒にゲームしない？｣
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リクス(プロフ) - キュンキュンします、ありがとうございます (2023年1月28日 22時) (
レス) @page19 id: 19eff5b33e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：豚汁 | 作成日時：2023年1月22日 7時
