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卓也said
今日の試合は…無事に勝利でおさめた。
Aはどう感じてくれただろう、今日の勝利を。
皆ロッカーに集まって勝利を分かち合っている時、勢いよくドアが開いた。
そこには、息を切らしているAの姿。
翔「もう空港行ったんかと思ってた」
「皆に言いたいことあって…今…いいですか」
翔「ええよ」
「かっこよかったです!勝利、おめでとうございます!」
ロッカーにいた全員が…Aに目を奪われただろう。
今までに聞いた事ないくらい、声を張って…輝いた目で…俺らにぶつけてきた。
「試合、始めてみましたけど…感動しました」
宮「…おう」
「練習見ていたから…皆の頑張り見てたから…本当に…感動しました」
輝いている目から…溢れそうな涙。
あぁ…この感覚…初めて野球を見た時の気持ちに近いかも…。
Aも…あの時の感動を感じてくれているのだろうか。
「私初めて、宮さんがカッコいいって思った!」
宮「おい!どういうことやねん」
「遥輝さん、盗塁決めた時…こっち見てくれました?」
遥「あ、気づいたん?」
「はい!目が合った時、本当に嬉しかったです!かっこよかった」
あ、遥輝照れた。
「卓也さんも、ダイビングキャッチした時…怪我してないか心配しましたけど…こっち見て拳出してくれた時、本当に嬉しくて…素敵でした」
卓「…ありがと」
あ、これは照れる。
賢「ちなみに、Aちゃんの中で一番かっこよかった人は?」
賢介さんの言葉で皆の肩が震える。
皆が俺だろ…という気持ちになった時、
「優心くん!」
優「俺っすか!?」
選ばれたのが優心。と言うだけではなく、走って飛びついていた。
「優心くんが居残りで練習して…どうしたらチームが勝てるのか悩んでたの見てたから…なんか今日…凄い感動した。さすが私の弟だー!」
優「Aさん…ありがとうございます!」
皆知っている。正捕手を狙っている優心とキャンプ中Aなりにそれを支えていたことを。
弟と言われて…そりゃ納得する。
マ「Aー!どこに行ったー!間に合わないぞ!」
「やば…私、東京行ってから北海道行きます」
卓「無理は…」
「しないです!北海道で会いましょう」
優心から離れて慌ただしくロッカーを出ていく。しかしすぐに戻ってきて
「本当に皆かっこよかったです!私の中のヒーローは、皆です!お疲れ様でしたー!」
あぁ、この笑顔が見たかった。
(次は、俺も抱き付いてもらおう)
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作者名:ゆき | 作成日時:2018年11月16日 12時