19-意外にも ページ42
鍵谷said
鍵「…Aちゃん、大丈夫かな」
上「あぁ、ファンからってことっすか?」
鍵「そう…何言われるかわからないから」
沖縄に来て数日。
表に出てこなかったAちゃんは…今日、久しぶりに表に出てくる。
俺たちからしたら、トレーナーのサポートをしているAちゃんはいつも通りだけど…
それを見たファンから何と言われるのだろう。
アリゾナの時は、現地の人がいて…むしろAちゃんが有名すぎて何度かファンサしている所は見たことあった。
でも、こっちに来て…ファイターズのファンもいるとなると…傷つかないかな。それが心配だった。
上「93年でも話してましたけど…正直もう…かけですよね」
鍵「そうだよなー」
上「なんか鍵さんって、Aのお兄ちゃんって感じっすね」
鍵「何急に」
上「いやー、なんとなく。俺たちも気を付けてみているんで…鍵さんもお願いします」
鍵「見てますよ」
お兄ちゃんか…そうなると、卓と妹の恋路を見届けなくちゃいけないんだね。
少し…複雑。
宮「おーい!A、手伝ってー!」
「…嫌です」
宮「トレーナーが手伝わんでなにすんねん!」
「手伝う人に問題ありです」
宮「なんでやねん!」
「本場のツッコミ…」
宮「感動してる場合ちゃうからな!」
「はいはい、手伝いますよー」
あそこの2人も…少し年の離れた兄妹?親戚?みたいな感じで…見ていて面白い。
うまく、ジャイアンを転がしてるあたり、Aちゃんは凄いなーって思う。
その後も黙々と練習し、一日のスケジュールが終わった。
「私、先に行きますね。これ、持っていきます」
ト「Aちゃん、裏から行く?」
「いや、裏だと遠いんで…表突っ切ります」
宮「勇者…」
「あ、心配してくれてるなら、大丈夫ですよ。私言われ慣れてるので」
宮「そういう問題やないねん!」
「嘘です。なんか…大丈夫な気がします」
それだけ言って、Aちゃんは先に歩いていってしまった。
上「あれ、Aは…?」
鍵「先に行ったよ」
上「まじっすか!?一人で…勇者」
鍵「宮さんと同じ事言ってる」
上「まじっすか」
宮「なんやねん、その嫌そうな顔」
そんな事を話しながら、俺たちもブルペンを出て戻る。
周りからは、ファンの人が声をかけてくれる…中で、
「Aちゃーん!!!」
という声が聞こえた。
そこには…ファンと話しながらサインをしているAちゃんの姿。
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作者名:ゆき | 作成日時:2018年11月16日 12時