青く、蒼く。 (ページ41)

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卓也said

「…もしかして、飛行機苦手？」

「何度乗っても慣れません」

「意外や」

「嫌なものは嫌なんです」

本当に嫌いみたいで、涙目になりながら俯いている。

「…ほら」

「手？」

「握ってた方が楽やろ？そんなに自分の手握ってると…痛々しいっちゃ」

珍しく素直に俺の手を握ってきた。我ながら…大胆なことした。

小さいの手は…俺の手に包み込まれていた。

あぁ…これ、心臓にわるい。

「卓也さん…？」

「ん？」

「…手、離さないでくださいね」

「…Aが離さない限り、離さんとよ」

「さっきから方言ずるすぎます」

「…そう言われても」

遥「後ろーいちゃいちゃしてると、席交代しますよ」

「…黙ります」

遥「そない隣、卓さんがええの？」

「だって、安心しますもん」

卓「あぁ…天然こわ」

拳「たいしょー！この二人がいちゃいちゃしてます！」

翔「よーし、沖縄着いたら、2人まとめて説教やな！」

「え、なんで私も」

宮「いつまでも外部の人扱いされると思うなよ！」

「宮さん一番してないじゃないですか」

宮「…確かに」

どこからか色んな声が聞こえる中、離陸する。

離陸の瞬間、ギュッと手を握ってきたAの手を…握り返す。

離陸後、落ち着いたら…

「卓也さん、ありがとうございました」

卓「もう平気？」

「はい」

卓「…名残惜しいけど…はい」

ぱっと手を離すと…もう、卓也さん嫌だ。と小声でいうA。

何がかはようわからんっちゃけど…まぁ、よか。

その後、皆各々寝たり、好きなことをしたり…隣は…

卓「ここまで来て、野球？」

「だって…わからないんです」

卓「どこが？」

「…この意味ってなんですか？」

卓「…これは…」

野球でわからないことがあると、俺に聞いてくれるようになった。

こうやって、野球を教えるのは面白いし…Aは頭がよすぎるから、次野球の話をしたときの成長具合が凄い。

「わかった！」

卓「相変わらず物分かりよかね…」

「んふふ～」

卓「…嬉しそうっちゃね」

「これで、少しずつ皆の気持ちがわかる気がして…嬉しい」

なんて俺に向けて笑うから…目が離せなくなった。

「変なこと言いました？」

卓「んー、可愛かって…思っとっただけ」

「隣変えてください…」

卓「え、なんで」

そんな話をしならが…途中俺は寝ながら…なんとか日本に戻ってくることができた。

あと、1か月と少し。

(俺は…君に思いを伝えることができるのだろうか)