青く、蒼く。 (ページ38)

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16-ごめんとありがとうページ38

「隣いいか」

「…どうぞ」

練習が終わり、ぼけっとしていたら、隣に栗山監督が座ってきた。

「この前の怪我が大丈夫か？」

「心配性ですね。大丈夫ですよ」

「心配するだろう、監督としても謝る…すまなかった」

「だから…」

「ここに無理やり留めさせて…辛い立場を作ったのは俺だ」

怒ると怖いけど、笑うと可愛い監督が…真剣な顔をして謝ってきた。

「私にも非はありましたから」

「Aは、今…ここにいて幸せか？」

「何ですか急に…真面目な話ですかー？」

「あぁ、そうだ。真面目な話だ」

監督と真面目な話をするのは…初めてかもしれない。

「…私、今幸せです。野球っていう初めての物に触れられて。トレーナーっていう新しいものに挑戦で来て」

「…そうか」

「この歳で、新しいものに挑戦できる…楽しいって思えるものが見つけられるって、凄い恵まれています。ねぇ、監督」

「なんだ？」

「ありがとうございます。私を…呼んでくれて」

顔は見れない。なんだか照れくさいから。

「今ファイターズは変わろうとしている。変わらなくてはいけない。それを…内部からではなく外部からの新しい刺激で変化させていく事も必要だと感じた」

「…それが私ですか」

「Aの泣いている人を笑顔にする力…下を向いている人を前に向かせる力…立ち止まっていた人の背中を押す力。それが…どうしても欲しかった」

「私そんな…」

「ある。北海道は…その力に助けられた」

もしかして、私が北海道が大変な時に…お忍びで訪問したことを知っているのかもしれない。

「でも、それがAのプレッシャーになっていないかって思った」

「そんな事ないです。私は呼んでいただいた事に感謝してます」

「…すまなかった」

「謝らないでください。でも…私を野球に…ファイターズにハマらせた責任は大きいですよ、お父さん」

「娘の扱い方はわからない上に…大変な娘をもったな」

「私も父親いないのでわからないですけど…」

「…片親だったのか？」

「その話は…長くなるからまた今度」

「…話てくれるのか？」

「お父さんですからね」

栗山監督が見守ってくれてるのが、凄く安心する。

私をこの世界に引きずりこんだ責任は…いつか取ってもらいますからね。

(栗「Aを一人占めするやつは…俺に挨拶に来るように」)
(「早速お父さん感出さないでくださいよ。過保護」)
(パパ組「はるたく筆頭に顔が…絶望と混乱でぐちゃぐちゃwww」)