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「え、ちょっ!は?!なんで泣くん?!」
「分からないですよ…遥輝さんのせいじゃないですか?」
「俺?俺何した?ごめん」
「遥輝さん…やっぱりチャラいです」
「え、俺、ディスられてる?」
「褒めてます」
「それ、褒めてるん?」
「…カッコイイです。ずるいです」
涙を拭いながら、微笑むAちゃん。その表情に…俺は言葉が出なかった。
「あぁ、色々不安で…私、おせっかいじゃないかな、とか…邪魔じゃないかな?とか…不安ばかりでした」
「そんなことない…」
「できること少ないし、あしでまといじゃないかなって…皆の邪魔だけはしたくなかった」
「邪魔なんてこのない。Aちゃんから学べることたくさんある」
「遥輝さんの言葉聞いて…凄く安心しました。私ここにいてよかったって…涙止まらないっ…」
パーカーの袖で何度も涙を拭うAちゃん。
いつも笑って俺達のそばにいたAちゃんは…不安やったんや。
不安を…100%隠せる子なんや…。
「Aちゃん…」
「なんですっ…遥輝さん?!」
「…このまま。落ち着くまでこのままな」
「…涙すぐに止まります」
「ええの、このまま…抱きしめられてて」
いつも頭を撫でるのは卓さん…。(時々、剛)
今は…俺がAちゃんの頭を撫でてる。抱きしめてる。
「遥輝さん…」
「ん?」
「すぐに泣き止みます」
「せやな」
「だから…あとすこしだけ」
このままで…。
そう言って、俺の服をぎゅっと掴んでいた。
俺の腕の中で…泣きながら震えている。
ぎゅっと抱きしめて、頭を撫でると…小さく俺の名前を呼んだ。
はじめて、泣いているところを見た。
はじめて…弱音を吐いてるところを見た。
あぁ、気がついていたけど、知らないふりをしていた気持ちがもう止まらないかもしれん…。
卓さんが頭を撫でるたびに、モヤモヤしていた。
93年組で笑ってると、ええなーって思った。
慎吾と仲良かったって聞いたときは、面白くなかった。
中学生みたいな感情ばかりで…認めたくなかった。でももう無理や…。
(俺は…AAが好きや)
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作者名:ゆき | 作成日時:2018年11月16日 12時