◆祭囃子のなく頃に -iwfk- ページ4
深澤(18)、岩本(？) fk一般人・iw人外
BL要素控えめ。
＿＿深澤
月の綺麗な夜。
そう、夏の香りが鼻を掠め始めた日の夜だった。
太鼓と、篠笛と、鉦と、様々な音ががちゃがちゃと鳴り響いていた。
だがまだ夏祭りの時期でもないし、ここら辺にそんな大掛かりな祭りなどなかった。
ましてや、ここは病院である。その一室に聞こえるほど大きな囃子を、こんな場所で鳴り響かせてもいいのだろうか。
そんな不快感と、ちょっとした好奇心だったのだ。
ベッドから這い出て、ちょっとお金持ちな家の息子だからってやたらと広い病室を少し歩き、大きな窓から下を覗く。
そこにはやはり、神輿や山車の群れが路地を練り歩く大群がいた。
こんな祭りが、こんな夜中にあっただろうか。
この病院のこの病室でもう3度目になる春を迎えるが、こんなことは1度もなかった。
いや、例え新しく出来たとしても、こんな夜中に病院の目の前を練り歩くのは如何なものか。
明日も来るであろう父さんに言ってみようか。そうすれば、来年からは無くなるかもしれない。
始まったばかりで申し訳ないが、そうさせて頂こう。
近所迷惑でしかない。増してやここは、病を患う人間の群れが必死に生きようとしている所である。
生きるのに欠かせない睡眠を妨害されるなど、あってはならないのだ。
「……寝るか。」
未だにどんどん、ぴーぴー、かちゃんかちゃん、と鳴る囃子に背を向けてベッドに潜り込んだ。
だがしかし、あれの音量が大きいのか否か、どうも眠りにつけないのである。
寝付きは良いし、一度寝ると滅多なことが起きない限り起きない。
そんな俺が目を覚ました時点で、あの祭囃子はただの人間による神事ではなかったのだろう。
いつの間にか意識を持って行かれているそれを再び見るべく、窓の傍へ足が向かってしまうのは必然だった。
「なんなの、あいつら……」
まじ迷惑なんだけど。
そう呟いた声は勿論囃子に吸い込まれていった。
これは寝られなさそうだ。また過保護な両親に嫌ってほど心配されるんだろうな。
あぁ、うんざりする。良心からなんだろうけど、ちょっと重たいんだよなぁ…。
刹那、そんな憂鬱をも吹き飛ばしてみせようと言わんばかりに囃子の音がにぎやかになった。
もしかして、此奴らは俺のために練り歩いて来たのでは。
なんて、自意識過剰か。
『辰哉。』
「…え、俺？」
『……迎えに来たぞ。』
……自意識過剰にも程があるだろ？
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蜜柑。(プロフ) - はるさん» 読んでくださりありがとうございます。続き書かせていただきます！！ (11月28日 0時) (
レス) id: 0dff0fdfaf (このIDを非表示/違反報告)
はる(プロフ) - 貴方は今宵もプリンセス -読みました！mmabでこういうシチュエーションあったらなーっと思っていたのでワクワクとときめきが止まりませんでした笑もし続きを書いていただけたら嬉しいです。これからも物語楽しみにしています！ (11月27日 23時) (レス) @page25 id: 6c02acd669 (このIDを非表示/違反報告)
蜜柑。(プロフ) - dtab担さん» 申し訳ありませんが、パスワードに関しては青鳥でのみの公開とさせていただいております。申し訳ありませんが、アカウントを作ってフォローをお願いします。 (2022年10月9日 21時) (レス) id: 0dff0fdfaf (このIDを非表示/違反報告)
蜜柑。(プロフ) - 紅蘭さん» 承知しました。現在私生活が多忙で執筆活動が追いつかないため、恐らく4月以降になると思います。申し訳ありませんが、お待ちいただけると幸いです。 (2022年10月9日 21時) (レス) id: 0dff0fdfaf (このIDを非表示/違反報告)
dtab担 - 青い鳥をやってない場合はどうやってパスワードを聞けばよろしいでしょうか？ (2022年10月6日 19時) (レス) id: 2b0f5d8a84 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：蜜柑。 | 作成日時：2022年2月18日 20時
