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＿＿目黒
ふっかさんと出会って、1ヶ月。
寝る前に会った看護師さんに、「最近変わったね」とふと言われた。
それがふっかさんのカウンセリングのおかげだとはさすがに言えなかったが、それがとにかく嬉しくて。
夢の中の病棟に辿り着いたらすぐに、ふっかさんが待つ診察室に走ろうと思っていた。
だが、それは叶わなかった。
病棟に行くまでは普通だったのだ。
だが、その後に踏み出した一歩が全てを狂わせた。
これまでに感じたことのない脱力感。現実で発作が起きた時ほど身体は苦しくはないが、動きたいのに動けないもどかしさで心の方が苦しかった。
体に力が全く入らなくて、どう足掻いたって指一本すら動かせなくて。
ふっかさんの焦った声と、バタバタという足音を聞くことしかできなかった。
「めめ！？めめ聞こえる！？」
「ふっかさん…ごめん、力はいんないや…」
「どっか苦しかったりする？」
その問いに大丈夫だと答え、ふっかさんの腕の中で回復を待つ。
だが、いつまで経っても脱力感は抜けなくて、それどころか強烈な睡魔で瞼が下りようとしていた。
はじめましての感覚が怖かった。
そして、はじめましてのはずなのに、この症状の意味が分かってしまうことも怖かった。
きっと、この世界はもう用済みなのだ。
「め、めめ…？ねぇ、めめ、起きてよ…！
俺が絶対治すって言ったじゃん、まだ、まだ俺いっぱい話せるからさ、ねぇ。」
そう言って俺のために泣いてくれるふっかさんを眺める間にも、視界は狭まっていく。
ふっかさんの体を通り抜けて向こう側が見えてしまうのは、ふっかさんの体が消えかかっているからだろうか。
やはり、この世界の役目はもう終わったのだ。
「…ふっかさん。俺ね、見つけたよ。」
「え……？」
「いつの間にか夢持ってて、それ叶えてたみたい。」
知らず識らずの内に、『ふっかさんと夢を見つける』という夢を持ち、それを自覚したことで『夢を見つけた』。
ふっかさんと出会って、彼をこの世界に留める決断をしたあの瞬間から、俺の夢は始まっていたのだ。
それが例え寝ている間だけの夢の中であっても、俺が持ったのは将来への希望だった。
「俺、看護師さんにも言われたよ。変わったね、って。
変えてくれたんだよ、ふっかさんが。」
「俺が……」
「…ありがとう。」
その言葉を聴いて、彼は目を見開いた。
そして、初めて会った時から変わらぬ優しい笑顔を残して消えていった。
夢の病棟と共に。
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蜜柑。(プロフ) - はるさん» 読んでくださりありがとうございます。続き書かせていただきます！！ (11月28日 0時) (
レス) id: 0dff0fdfaf (このIDを非表示/違反報告)
はる(プロフ) - 貴方は今宵もプリンセス -読みました！mmabでこういうシチュエーションあったらなーっと思っていたのでワクワクとときめきが止まりませんでした笑もし続きを書いていただけたら嬉しいです。これからも物語楽しみにしています！ (11月27日 23時) (レス) @page25 id: 6c02acd669 (このIDを非表示/違反報告)
蜜柑。(プロフ) - dtab担さん» 申し訳ありませんが、パスワードに関しては青鳥でのみの公開とさせていただいております。申し訳ありませんが、アカウントを作ってフォローをお願いします。 (2022年10月9日 21時) (レス) id: 0dff0fdfaf (このIDを非表示/違反報告)
蜜柑。(プロフ) - 紅蘭さん» 承知しました。現在私生活が多忙で執筆活動が追いつかないため、恐らく4月以降になると思います。申し訳ありませんが、お待ちいただけると幸いです。 (2022年10月9日 21時) (レス) id: 0dff0fdfaf (このIDを非表示/違反報告)
dtab担 - 青い鳥をやってない場合はどうやってパスワードを聞けばよろしいでしょうか？ (2022年10月6日 19時) (レス) id: 2b0f5d8a84 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：蜜柑。 | 作成日時：2022年2月18日 20時
