10 深澤side ページ10
・
深澤side
…あれ。
食堂から戻ってもまだ彼女の姿は無い。
昼休みが終わる5分前にはいつも席にいるのに。
ラ「戻りました〜」
深「おかえり」
ラ「深澤さん、上の階って何がありましたっけ」
深「休養室、会議室、資料室とか。なんで？」
ラ「いや、同期が上に行く岩本さんを見たらしくて」
てっきり外に行ったのだと思ってた。
昼休みに上の階に行く人は少なく、用事もないはず。
深「すぐ戻るから」
それだけ言い残しフロアを出た。
順番に部屋を覗くが、休養室と会議室は真っ暗。
最後の資料室は電気がついているのに人気は無し。
そういえば、この資料室の奥には何年も使われていない会議室があったっけ。
俺が入社して1年後には使われなくなったから、村上はもちろん岩本さんだって存在は知らない。
……そんなわけないよね。
そう思いつつ奥に進むと、光が漏れる会議室。
_____ 胸騒ぎがする。
どうか予想が外れますように。
そんな俺の願いは呆気なく散った。
・
深「あの」
『昼休み終わるので戻りましょう』
何も聞くなと言わんばかりに言葉を遮られる。
もうさ、聞かなくても大体わかるのよ。
そもそも、目黒はあの場所をなぜ知っている？
しかも用意周到に資料まで持って。
これは絶対に常習犯だろ。怖い怖い。
『誰にも言わないでください』
フロアに向かう途中、ボソッと呟いた彼女。
『これは…私の問題なので』
深「ん、わかった」
『でも、ありがとうございます。来てくれて』
深「いーえ。あんな必死に出てったら、ね」
『え！？そんなに必死でした？』
「恥ずかしい」と手で顔を覆う姿が可愛く思えた。
…やば。今の照には内緒だよ？わら
深「それでも…好きなんでしょ」
『…はい』
深「なーんで
『なんででしょう…』
深「向井にしとけばいいのに」
『なぜここで向井くんが？』
深「え？」
『え？』
あんなに分かりやすいのに気づかない人いるんだ。
・
さーてと、ここからどうしようかな。
他人の俺が口出すことでもないんだけど、照から頼まれてる以上いざという時は助けてあげたい。
隣で帰る準備をしている彼女にそれを上手く伝えるつもりが…
深「ね、岩本さん」
『はい』
深「俺が監視しとくから」
『…へ？』
言葉選びを間違えてしまった。
・
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 1443人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
あんこ(プロフ) - 愛結さん» コメントありがとうございます(o^^o)叫びそうにまでなっていただけたとは！最高の褒め言葉です。私が書くとどうしても阿部様になってしまいがちです…そんな彼が素敵なので。引き続きよろしくお願いします★ (4月25日 20時) (
レス) id: e8d67e08c2 (このIDを非表示/違反報告)
愛結(プロフ) - 阿部様書いてくださってありがとうございます。仕事休憩中に叫びそうになりました． (4月25日 13時) (レス) @page32 id: 6e8b454d13 (このIDを非表示/違反報告)
あんこ(プロフ) - みぃ〜さん» 初めまして。コメントありがとうございます★同士の方いらっしゃって嬉しすぎます(*^_^*)もう少し出せたらと思ってますので楽しみにしていてください♪引き続きよろしくお願いします！ (3月21日 8時) (レス) @page37 id: 69aa8b4767 (このIDを非表示/違反報告)
みぃ〜(プロフ) - 初めまして。橙さんの相棒はあの人しかいないですね！私、同士です！この作品に出てきたことがなんか嬉しかったです☆色々とお忙しいと思いますが、マイペースに更新頑張ってください！楽しみにしてます♡ (3月21日 0時) (レス) @page37 id: db78e452a1 (このIDを非表示/違反報告)
あんこ(プロフ) - あやさん» コメントありがとうございます★私の趣味全開の小説にそう言っていただけると励みになります(o^^o)しかも私の心配までありがとうございます…！無理せず頑張ります！今後ともよろしくお願いします♡ (3月16日 8時) (レス) id: 69aa8b4767 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：あんこ | 作成日時：2024年2月11日 21時
