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岩本.
周央｢私さ......吃音、なんだ｣
岩本｢吃音？｣
滑らかに話せない発話障害のひとつなんだって。
周央｢幼稚園通ってた時にさ、最初の音を繰り返して喋ってたらしくて。でも小学生になったら気にならなくなった｣
でも小学校高学年になると、少しずつ難発性の症状が出始めたらしい。
最初の音がなかなか出ないんだね。
周央｢お芝居してる時は出ないけど、プライベートは全然ダメ｣
思い返すと、確かにふみは小学校を卒業して日本に来てから口数が減ったような気がする。
元々お喋りではなかったけど、積極的に話す側じゃなくて聞く側に回るようになった。
周央｢授業で当てられて、教科書、読まないといけないのに、喉が閉まって...｣
先生が他の人を当てたから、クラスメイトの視線がしんどかったんだって。
いつも一緒にいる舘さんの妹も今日は学校を休んでいたらしくて、1人で耐えて授業が終わるのを待ってた、って...。
周央｢へ、変な子、って...｣
岩本｢先生が？｣
周央｢(頷く)｣
岩本｢...その先生誰｣
周央｢何するつもり...？｣
岩本｢一発殴らないと気が済まない｣
周央｢いいって！もう慣れてるから...！｣
岩本｢慣れちゃダメだよ、こんなの...｣
つらいのはふみなのに、俺まで悲しくなってきて涙が止まらなくなった。
周央｢ありがとう、照に聞いてもらえて楽になった｣
岩本｢他のメンバーには言ってないの？｣
周央｢宮ちゃん(宮舘の妹)には言ってるし、ダテも勘鋭いから気づいてると思う｣
岩本｢そっか...｣
周央｢泣きすぎ(笑)｣
涙を指で優しく拭ってくれるふみ。
岩本｢でも、今普通に喋れてるじゃん｣
周央｢気の許せる相手には、あんまり吃音出ない人もいるらしい。私がそのタイプかも｣
岩本｢気の許せる、相手...｣
周央｢お兄さん、ニヤけてますよ｣
岩本｢っ、別にニヤけてないもん｣
周央｢ほんまかいな〜(笑)｣
岩本｢言ってくれてありがとう｣
周央｢...うん｣
岩本｢(周央の頭をなでる)｣
絶対勇気がいることなのに、ちゃんと俺に伝えてくれたふみのためにも、これからは俺らでカバーしていかないといけないなって決意した日だった。
周央｢なぁ、お腹空いた｣
岩本｢お前さぁ...(笑)｣
周央｢パフェがいい｣
岩本｢何でも好きなの頼んでいいよ｣
周央｢んふふ(笑)｣
岩本｢ショッピングはどうする？｣
周央｢行く！ピアス欲しい！｣
岩本｢分かったよ(笑)｣
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作者名：燦
| 作成日時：2021年7月28日 21時
