目は口ほどに物を言う ページ46
.
阿部.
ふみは昔から感情が顔に出やすい子だった。
出会ってすぐはまだ日本語が拙かったけど、表情で何となく気持ちが読み取れた。
特に楽しいとか嬉しいとか、プラスの感情はもろに出る。
美味しいものを食べている時、ペットのマルと遊んでいる時、ファンの皆さんを見ている時、夢が叶った時...。
挙げたらキリがないけど、俺が一番幸せそうに見えるのはメンバーといる時。
もちろん、仲の良い事務所のタレントや俳優さん、女優さんもいてその人達とは幸せそうに見えないとかじゃなくて。
言い表すのはちょっと難しいんだけど、ファンの方が「メンバーにしか見せない笑顔」って表すくらいだから、やっぱり違うような気がする。
阿部「美味しい?」
周央「ん〜!」
阿部「ほんとに美味しそうに食べるよね(笑)」
収録の前に楽屋でお弁当を食べているふみ。
本当に食べることが好きなんだなって、毎回見ていて思う。
俺らも幸せそうなふみが見たくて、いっぱい食べさせちゃう癖がついた。
事務所の先輩にお菓子を餌付けされているところもよく見かけるし...。
宮舘「史那、これも食べな?」
周央「えっ、やったー!ありがと(ニコニコ)」
自分が食べるお弁当と一緒に、プリンを持ってきてふみの目の前に置く舘さん。
俺はこの2人の空気感が昔から大好きだった。
ふみがまだ小学生だった頃から、舘さんに向ける笑顔が可愛くて。
その時は事務所に入る前からの知り合いだし、それだけ懐いているってことだろうって思っていたけど...。
今になってそれだけじゃなかったんだって分かる。
向井「またふみたん甘やかしてるやん!」
宮舘「康二の分はないよ?」
向井「待って、そんな真顔で言わんといてや(笑)」
周央「康二、一口いる?」
向井「えっ、いいん!?」
宮舘「欲しかったんかい(笑)」
ふみが舘さんに向ける表情と、舘さんがふみに向ける表情に含まれた感情はきっと同じ。
それを遠目に眺めながら、素敵だなぁ、ってニヤニヤするのが昔から好きだったりする。
絶対2人には言えないけど...(笑)
周央「なんか阿部ちゃんがニヤニヤしてる...」
阿部「えっ、別にニヤニヤしてないよ」
向井「そう言いながらニヤニヤしてるやん!」
阿部「えぇ、そうかな(笑)」
宮舘「なんだよ阿部〜」
これからも、2人を見守っていきたいなって思う今日この頃。
614人がお気に入り
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:燦 | 作成日時:2024年1月28日 10時