Snow Manの男前姉さん 25 (ページ2)

今日:10 hit、昨日:28 hit、合計:165,694 hit

・ページ2

.

岩本.

　

ふみがある程度日本語を話せるようになった頃、レッスン場に入ってくるなり俺に突進してきて。

岩本｢なになに、どうしたの？(笑)｣

周央｢あの、これ...｣

ふみがそっと差し出してきたのは、可愛い袋に入ったチョコブラウニー。

岩本｢えっ、俺にくれるの？｣

周央｢はい、あの...。オーディションの時、チョコ嬉しかったです｣

岩本｢いや、あれ帰りに食べようと思って持ってきたやつだからそんな...｣

周央｢母さんと作ったから、多分美味しいです｣

岩本｢...ありがとう｣

頭をなでると嬉しそうにはにかんで、今度は阿部のところに走っていった。

周央｢阿部くん、これ...｣

阿部｢え、ありがとう！ふみが作ったの？｣

岩本｢俺だけじゃなかったんだ...(笑)｣

ーーーーー

岩本

　

もうすぐ、ふみと出会って17年が経とうとしている。

幼くてあどけなかったふみが、いつの間にか"男前姉さん"と呼ばれる端麗な女性になっていた。

よく｢昔は可愛らしかったのに、すごくかっこよくなって...｣ってふみを褒める人を見かける度に、確かにその通りだとは思うけど...。

岩本｢ふみ｣

周央｢ん？｣

岩本｢手出して｣

周央｢...虫のおもちゃか｣

岩本｢ねぇ、しげじゃないんだから(笑)｣

周央｢昨日事務所で会った時にされて腰抜かしたんよ...｣

岩本｢ほら、早く早く｣

恐る恐る差し出されたふみの手を包み込むように、手の中にあるチョコレートを渡した。

周央｢...え、これって｣

岩本｢うん、懐かしくない？｣

周央｢懐かしい～！照がくれたやつだ｣

コンビニのお菓子コーナーで、オーディションの日に俺がふみにあげたものと同じチョコレートを見つけて、懐かしくなって買っちゃったんだよね。

周央｢これ最近見かける？｣

岩本｢俺がよく行くコンビニはあるよ｣

周央｢へぇ、お腹空いたし今食べよ...｣

律儀にいただきます、なんて言って食べるふみを隣で見つめる。

周央｢ん～！｣

岩本｢んふふ、美味しい？｣

周央｢美味しい(笑)｣

この少し照れたようなはにかみ笑顔は、出会った当時からずっと変わらないんだよね。

周央｢ありがと、元気出た｣

岩本｢ん、どういたしまして(周央の頭をなでる)｣

周央｢...(岩本を見つめる)｣

岩本｢ん？｣

周央｢照の手、昔からずっと変わらないね｣

岩本｢...(眉を下げて笑う)｣

　