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周央.
楽屋に戻るために廊下を歩いていると、何度か一緒にお仕事したことがある男性スタッフの山岸さんが声をかけてきた。
山岸｢周央さん！｣
周央｢あっ、お疲れ様です｣
山岸｢今度また一緒にお仕事できることになりました！よろしくお願いします！｣
周央｢そうなんですか？こちらこそよろしくお願いします(お辞儀)｣
いつも見かけたら声をかけてくださって、すごく真面目な方だ。
周央｢...っ(よろける)｣
山岸｢えっ、大丈夫ですか？(周央の体を支えようとする)｣
周央｢あ、大丈夫です...｣
どうしよう、急に眠気が...。
山岸｢気分が悪いんですか？メンバーさん呼んで来ますんで、ちょっとこの部屋で休んでてください｣
山岸さんに支えられながら、近くにあった空いている会議室に入り、椅子に座らせてもらう。
でも山岸さんは、外に出ようとするどころかドアの鍵を閉めた。
周央｢えっ...｣
山岸｢...やっと2人きりになれたね｣
周央｢...っ！！｣
今になって気がついた自分を恨んでももう遅い。
1月から時々感じていた気配はこの人のものだったんだって。
周央｢な、なんで...(逃げようと立ち上がろうとするが、体に力が入らず動けない)｣
山岸｢さっきふみちゃんの飲み物にこっそり混ぜておいたんだ。やっと効いてきたみたいだね｣
回し蹴りでもされたら楽しいことできないじゃん、って狂気じみた笑顔を向けてくる山岸さん。
睡眠薬でも盛られたんだろうか。
山岸｢こんなに愛しているのに、いつまで経っても僕のものになってくれないんだもん｣
周央｢...っ、さ、触らないで｣
体に触れてくる山岸さんの手を退けようとするけど、手に力が入らない。
急激に眠気に襲われて、何とか意識を保とうとしても瞼が閉じてきてしまう。
山岸｢大丈夫。優しくしてあげるから｣
その言葉を最後に、意識を手放した。
ーーーーー
深澤.
俺の勘が当たらないことを祈りながらテレビ局内を探す。
すれ違う人にふみを見なかったか聞いても、誰も見ていないって言う。
諦めかけたその時、顔見知りのスタッフさんが｢山岸さんと話しているのを見ました｣って教えてくれて。
深澤｢それどこでか分かります！？｣
ｽﾀｯﾌ｢すぐそこですけど...。あの、何かあったんですか？｣
深澤｢警備員さん呼んできてもらっていいですか！？｣
ｽﾀｯﾌ｢えっ、はい！｣
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作者名：燦
| 作成日時：2022年4月19日 13時
