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岩本.
岩本｢ふみ！｣
周央｢...っ？｣
岩本｢何か探してるの？｣
俯いて口をつぐんでしまったふみの足元を見て気がつく。
......レッスン用の靴を履いていない。
岩本｢靴がなくなったの？｣
周央｢...(頷く)｣
岩本｢......スタッフさんに言ったら靴借りれたはず。とりあえず、もうレッスン始まっちゃうからさ...｣
周央｢......｣
岩本｢レッスン終わったら一緒に探そう？｣
周央｢はい...｣
ーーー
阿部.
靴を借りてレッスンを受けていたふみ。
ぴったりのサイズがなくて、案の定靴擦れになっちゃって。
照が手当てをしてくれている間に、手分けして靴を探す俺達。
佐久間｢...っ、ちょっとみんな！｣
廊下に置いてあるゴミ箱を探していた佐久間の声に、近くにいたメンバーも集まった。
佐久間｢これ...｣
｢｢...！！｣｣
佐久間がゴミ箱から取り出した靴は、ハサミか何かでズタズタに切り裂かれていたけどふみの物で間違いない。
渡辺｢またあいつらか...｣
佐久間｢これ、もう履けないよね...｣
こんなボロボロの靴を見せるわけにもいかず、申し訳ないけどこのまま捨ててもらうことにした。
周央｢そっか、見つからなかったんですね...｣
深澤｢見つけられなくてごめんね｣
周央｢(首を横に振って)探してくれて、ありがとうございました｣
母さんにごめんなさいしないと、って足に貼られた絆創膏を見つめるふみの笑顔が切なくて、見ていられなかった。
ーーーーー
○2013年(周央16歳)
渡辺.
Kis-My-Ft2のバックについていた最中に、事件は起こった。
俺らJr.が外周で踊っていた時だった。
周央｢っ...！！｣
ふみの真ん前にいたファンがいきなり手を伸ばして、真横を通り過ぎようとしたふみの腕を引っ張っているのが見えて。
渡辺｢ちょっと...！｣
駆け寄ろうとしたら近くにいたふっかに腕を掴まれて、目で踊り続けろと言われる。
ふみの方を見ると、隣にいた佐久間が支えてくれたから客席には落ちなかったけど、捻ったのか腕を庇いながらまた踊り始めた。
他のメンバーとアイコンタクトを取りながら、何とか公演を終えてステージ裏にはける。
周央｢......っ、はぁ...｣
渡辺｢おっと...(周央の肩に手を回す)｣
岩本｢俺が抱えて行くよ｣
足の力が抜けたようにその場に座り込んでしまったふみを照が抱きかかえて、医務室まで7人で歩いた。
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作者名：燦
| 作成日時：2022年4月19日 13時
