頑張る理由 ページ1
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○2007年2月(周央9歳)
宮舘.
レッスンが終わって帰ろうとしていたら、史那が俺を見つけるなり突進する勢いでこっちに向かってきた。
周央｢りょーたくん！｣
宮舘｢(周央を受け止めて)どうしたの？落ちついて(笑)｣
周央｢えっと...。お、お手紙もらいました｣
宮舘｢お手紙？｣
史那は大きく頷いて、俺に封筒を渡してくれた。
宮舘｢確か史那って、手紙もらったことないよね？｣
周央｢もらったこと......ないです(微笑む)｣
宮舘｢嬉しいね(微笑みながら周央の頭をなでる)｣
周央｢はい！｣
確かに史那宛ての手紙だ。でも送り主の名前や住所が書かれていない。
周央｢漢字、難しいから、読めないから...。
読んでもらっても、いいですか？｣
宮舘｢うん、分かった｣
興味津々に目を輝かせている史那が隣に腰掛けたのを確認し、封筒から便箋を取り出す。
宮舘｢っ...！！｣
便箋を開くと、史那を罵倒するような、見るに堪えない言葉ばかりが並んでいて。
まだ幼い史那には残酷すぎる内容だった。
いや、こんなの俺が受け取ってもしばらく落ち込んじゃうよ...。
周央｢りょ、涼太くん...？｣
宮舘｢......史那が分かるように言えないけど、この手紙をくれた人は、史那のことが大好きなんだって｣
周央｢ほんと？良かったです｣
宮舘｢......｣
周央｢お返事書かなきゃ、便箋買って......っ？｣
気づいた時には史那を強く抱きしめていた。
宮舘｢なんで、こんなに頑張ってるのに...｣
周央｢......やっぱり、そのお手紙、悪い言葉...？｣
抱きしめているから顔は見えないけど、声が震えていて必死に泣くのを我慢しているのが痛いほど分かる。
周央｢わ、たし......何のために、頑張るの...？｣
その言葉に何も返すことができなかった。
ーーーーー
○2009年(周央12歳)
(実際には存在しないJr.を登場させます。
香山、槙野、山田→2004年入所。無所属)
岩本.
レッスンがもうすぐ始まる時間なのに、ふみが何かを探している。
さっきは自分のリュックの周り、今はゴミ箱を探した後に焦った様子でレッスン場を出ていった。
岩本｢えっ...｣
槙野｢ははっ、あいつ必死になって探してる(笑)｣
山田｢ゴミ箱漁ろうとしてるのはやばかったよなー(笑)｣
香山｢見つけたとしてもどうすんだよ〜｣
香山くん達の会話で全てを悟り、ふみの後を追いかけた。
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作者名：燦
| 作成日時：2022年4月19日 13時
