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阿部.
次の日、全員での仕事だったんだけど、ふみが来るまで俺も含めてみんなそわそわしていた。
周央｢(ドアを開けて)お疲れ様で...｣
岩本｢史那！(周央を勢いよく抱きしめる)｣
周央｢おぉ...(少しよろける)｣
楽屋のドアのそばに立ってウロウロしていた照が、舘さんと一緒に入ってきたふみを抱きしめる。
深澤｢ほんとに良かった、何事もなくて...｣
ラウ｢ふみちゃん...(周央の手を握る)｣
周央｢...ご心配をおかけしました｣
阿部｢ううん、ふみは悪くないよ｣
佐久間｢(涙目になって後ろを向く)｣
周央｢大ちゃん...？｣
涙目でふみを見つめるだけだった佐久間が、ふみに向かって歩いていく。
佐久間｢(周央を抱きしめて)生きててくれて良かった｣
周央｢......｣
佐久間｢俺、ほんとに...(泣)｣
ずっと我慢していたのか、ポロポロと涙を零して泣きだす佐久間。
ふみも涙をこらえながら｢ありがとう｣と言って佐久間の背中に手を回した。
仕事の前にふみの話を聞いた。
SNSの誹謗中傷が原因で心がしんどくなってしまって、体の不調も続いていること。
悪い夢にうなされてしまって、睡眠が取れていないこと。
精神科に通っていて治療を受けていることも。
滝沢くんも誹謗中傷のことは知っているらしく、書き込んだ人を特定して法的措置を取る準備を進めているらしい。
ふみの体調のことも、詳しく教えてくれた。
これからデビューに向けていろんなお仕事があるけど、もしかしたらふみだけ休むことになるかもしれない、って...。
周央｢本当に無理だって思った時しか休まない。ファンの方を心配させたくないから｣
渡辺｢でも、いつもそう言って無理するじゃん...｣
宮舘｢ううん、さっき滝沢くんの前で約束してきたから大丈夫だよ。しんどい時は言ってくれるって｣
向井｢じゃあ安心していいん...？｣
周央｢(頷いて)できるだけ無理はしない｣
目黒｢(眉間にしわを寄せて)できるだけ...？｣
佐久間｢顔険しすぎるだろ(笑)｣
｢｢(笑)｣｣
岩本｢絶対...言ってくれるんだよね？｣
周央｢うん｣
岩本｢信じていいんだよね？｣
周央｢...信じて｣
岩本｢......分かった｣
こんなに長い間一緒にいるのに、こんなに追いつめられるまでふみに何もしてあげられなかった。
曲を作ってくれたり、グループを知ってもらうためにって女優業も頑張っているふみを、今度は俺達が支えてあげる番だ。
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作者名：燦
| 作成日時：2021年11月29日 3時
