・ ページ32
・
自分のパジャマを着て欲しかった？
それこそ言ってくれれば喜んで着るのに。
でもそれが言えないのも彼らしいというか。
『翔太のパジャマ着れて嬉しいな』
渡「…まじ？」
布団から顔を出し、目をぱちくりさせる翔太。
渡「俺の着れて、嬉しい？」
『うん』
渡「……ずるい」
そう呟いた彼は、私を腕の中に閉じ込めた。
渡「誕プレさ、」
頭上から聞こえる綺麗な声に耳を傾ける。
渡「Aが欲しい」
『！？』
思わぬ大胆発言に慌てて顔を上げると、至近距離で目が合った。
『そ、れは…』
渡「まだ、だめ？」
想いが通じ合った時にした約束。
"Aがしたいと思うまで、しない"
彼はこれをしっかり守ってくれている。
渡「俺は、Aに触れたい」
余裕のない顔、速い心臓の音、いつもより高い体温。
渡「でも、無理にとは………っ！？」
"私も、翔太に触れたい"
言葉にするより先に身体が動き、彼の柔らかい唇に自分のを押し付けていた。
ふと我に返り翔太を見れば、満足気な顔をしている。
渡「ふーん。それが、答え？」
恥ずかしさのあまり「ごめん」と離れようとするが、抱きしめる力が強くて逃げられない。
渡「待て待て。俺にはさせてくれないの？」
『……お手柔らかに』
渡「ふはっ…可愛い」
『可愛くなんか…』
反論しようと顔を上げた瞬間、口を塞がれてしまった。
何回も、何回も、まるで小鳥が啄むような優しいキスが繰り返される。
『…んっ』
渡「ね、口開けて」
だんだんと深くなっていくキス。
キスって、こんな気持ちよかったっけ。
クラクラする頭でそんなことを考えた。
渡「はい、おわり」
『え…』
渡「明日早いし。これ以上は、止められる自信ない」
腕を離そうとするので、今度は私から抱きつく。
渡「…どういうつもり」
『大丈夫だから、お願い、もっと』
渡「あー…もう」
向かい合う形から一変し、彼が私に覆いかぶさった。
渡「俺は…止めたからな？」
『ひゃっ』
いきなり服の中に入ってきた手に、自分のとは思えない声が漏れる。
『やだ…』
渡「なんで？声、聞かせてよ」
いじわるな発言とは裏腹に私に触れる手はとても優しい。
渡「…A」
耳元で愛おしそうに私を呼ぶ声。
吐息交じりのその声が、私の鼓動を速くする。
渡「ちょー好き」
また彼の新しい一面を知った。
そんな甘い夜。
・
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 747人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
あんこ(プロフ) - 理科さん» こちらこそ本当にありがとうございました！面白いと言っていただけて良かったです。慣れない執筆でしたが、読んでくださる方々のおかげで書き切る事が出来ました(*^^*)ぜひまた読み返してあげてください♡♡ (2月23日 10時) (
レス) id: e42437901a (このIDを非表示/違反報告)
理科(プロフ) - 私の毎日の楽しみが終わってしまったけど、ほんと面白かったです！ありがとうございます♡そして、お疲れ様でした！仕事の休憩中にニヤニヤしながら読んだリしてました☺︎︎また全部通して読んで幸せ気分になりたいと思います♡ (2月22日 22時) (レス) id: aa7fd4008a (このIDを非表示/違反報告)
あんこ(プロフ) - 理科さん» もしかして、書き始めた頃にもコメントいただきましたか！？そこから読んでいただけてるの嬉しすぎます(>_<)新作も読んでいただきありがとうございます★緑さんもめちゃくちゃ良かったですよね…リアル感もあって！笑顔が眩しい…。私も旦那に呆れられてます(笑) (2月18日 8時) (レス) id: e42437901a (このIDを非表示/違反報告)
理科(プロフ) - すっごい面白いです！もうすぐ終わっちゃうの、寂しいなぁ。新作も楽しんでます♡余談ですが、私は💚ちゃん推しなので、ドライブしたいです。💚好きすぎて、息子に呆れられてます。 (2月17日 22時) (レス) @page48 id: aa7fd4008a (このIDを非表示/違反報告)
あんこ(プロフ) - SnowManLOVEさん» はじめまして。コメントありがとうございます！スノさんは全員が魅力的ですよね(^^)★続きが見たいと言っていただけて嬉しいです。更新頑張ります！ (2月1日 13時) (レス) id: 3da351ad37 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：あんこ | 作成日時：2023年12月26日 21時
