168 ページ21
・
涼太にちゃんと自分の気持ちを言えた。
彼も"どうしたいか"分かってよかったと言ってくれた。
そして今日は辰哉に…なんて考えていたら、ちょうど2人が部活から戻ってくる。
岩「ランニング中、深澤さんらしき人みましたよ」
『ええ!』
阿「そんな驚きます?」
『すみません。取り乱しました』
過剰に反応する私を見た阿部先生はニヤニヤ。
「今度ゆっくり報告します」と伝え、入れ替わるように職員室を出た。
・
帰り道、公園のベンチに並んで座る。
言いたいことは考えてきたはずなのに、うまく言葉が出ない。動悸はするし手は震えるし。
…でも、言わなきゃ。
"ごめんなさい。辰哉の気持ちには応えられない"
顔が見れなくて、思い切り頭を下げた。
"ちゃんと伝えてくれてありがと。困らせてごめん"
私の背中をさすりながら、いつもの優しい声でそう言ってくれる辰哉。自分も辛いはずなのに、彼はどこまで優しいのだろう。
・
深「…これから、どうするの?」
ホームでの待ち時間。
寂しげなトーンで問いかけられた。
深「翔太に、好きって言うの?」
『…そのつもり』
深「そっか」
電車が到着し、順番に乗り込む。
ぼんやり窓の外を眺めていると、隣から「言っとくけど」と声がした。
深「最初に好きになったの俺だからね」
『…うん?』
深「1番好きなのも俺だと思ってるし」
『…うん』
深「だから悔しい。……でもそれ以上に」
そこまで言いかけた時、ちょうど彼の最寄り駅に到着。
私の耳元で「嬉しい」と囁いた彼は、ふにゃっと笑って降りて行った。
・
Aもうしばらくお待ちください
そんなメッセージを送ってから、お互いにその話題については触れていない。というか、待つのが嫌いな彼の事だ。聞きたいのをめちゃくちゃ我慢してると思う。
…覚悟を決めろ、私。
A月曜日、会えますか?
〜♪
メッセージを送った途端に鳴るスマホ。
"もしも…"
渡"おっそ"
はい?すぐ出たんですけど。
渡"明日、会いたい"
ああ、遅いってそっちの話ね。
渡"もう待てない"
予想通りというかなんというか。
渡 "てか、お前のせいで桃瀬さんにディスられた"
"私の桃瀬さんはそんな事しない"
渡"お前のじゃねーわ。とにかく、明日な"
"わかった。桃瀬さんに会いにいく"
渡"そこは俺にって言う所だろ"
急に決まった明日。なんだか心配だなあ…。
・
747人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
あんこ(プロフ) - 理科さん» こちらこそ本当にありがとうございました!面白いと言っていただけて良かったです。慣れない執筆でしたが、読んでくださる方々のおかげで書き切る事が出来ました(*^^*)ぜひまた読み返してあげてください♡♡ (2月23日 10時) (レス) id: e42437901a (このIDを非表示/違反報告)
理科(プロフ) - 私の毎日の楽しみが終わってしまったけど、ほんと面白かったです!ありがとうございます♡そして、お疲れ様でした!仕事の休憩中にニヤニヤしながら読んだリしてました☺︎︎また全部通して読んで幸せ気分になりたいと思います♡ (2月22日 22時) (レス) id: aa7fd4008a (このIDを非表示/違反報告)
あんこ(プロフ) - 理科さん» もしかして、書き始めた頃にもコメントいただきましたか!?そこから読んでいただけてるの嬉しすぎます(>_<)新作も読んでいただきありがとうございます★緑さんもめちゃくちゃ良かったですよね…リアル感もあって!笑顔が眩しい…。私も旦那に呆れられてます(笑) (2月18日 8時) (レス) id: e42437901a (このIDを非表示/違反報告)
理科(プロフ) - すっごい面白いです!もうすぐ終わっちゃうの、寂しいなぁ。新作も楽しんでます♡余談ですが、私は💚ちゃん推しなので、ドライブしたいです。💚好きすぎて、息子に呆れられてます。 (2月17日 22時) (レス) @page48 id: aa7fd4008a (このIDを非表示/違反報告)
あんこ(プロフ) - SnowManLOVEさん» はじめまして。コメントありがとうございます!スノさんは全員が魅力的ですよね(^^)★続きが見たいと言っていただけて嬉しいです。更新頑張ります! (2月1日 13時) (レス) id: 3da351ad37 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:あんこ | 作成日時:2023年12月26日 21時