Dear my sister. (ページ43)

今日:1 hit、昨日:6 hit、合計:317,346 hit

ページページ43

阿部side

阿「あれ？撮影しようと思ったのにAちゃんどこ行ったんだろ？」

『ふふふ』

惚ける俺に顔を伏せながら笑うAちゃん。
少し下から映す画角にしていた自撮り棒をそのまま上にあげていき頭上に持ってくる。

阿「あ、いた！」

俺の後ろにくっつくAちゃんがカメラに映った所で叫ぶとAちゃんはきゃあ～と言いながら顔を両手で隠す。

阿「え～なんで隠すの？」

『恥ずかしい』

阿「恥ずかしいの？カメラ恥ずかしい？」

『大ちゃんいないの』

阿「あ、お兄ちゃんいないから？
俺とふたりきり緊張する？」

こくり、頷くAちゃん。

阿「そっかまだ緊張するか～。そうだよね、お兄ちゃんいない撮影初めてだもんね」

そう言いながら俺はしゃがんでいた向きを変えて、Aちゃんと向き合うようにして頭を撫でた。

阿「大丈夫だよ、お兄ちゃんいないけど俺がそばにいるから怖くないよ」

指の隙間から見え隠れするダークブラウンの瞳。
その目を反らさないように、おでことおでこをくっつける。

阿「絶対怖い思いさせないから、安心して」

出来るだけ務めて柔らかく微笑んだ俺をAちゃんは数秒じっと見つめたかと思うと、顔を隠していた両手をそのまま俺の首に回してぎゅっと抱きついてくれた。

阿「お、初めて。ぎゅーー」

俺もカメラを持っていない方の手をAちゃんの背に回し少し力を込めて抱きしめ返す。
初めてのAちゃんからのハグに少しビックリしつつも、やっぱりうれしさが勝って今の俺はさぞゆるーい顔をしてるんだろう。

阿「ふふ、このまま抱っこで皆のとこ行く？」

こくり、Aちゃんが頷いたのを確認すると、じゃあいくよと声をかけそのまま抱き上げた。

阿「じゃあ楽屋の方行って皆の様子見てこよっか」
『うん』

片手にカメラ。片手にAちゃん。
なんだか佐久間になったみたいだ。

·