Dear my sister. (ページ18)

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岩本side

さて、どうしたものか。
なんだかターンが回る度にハードルが上がっていった気がする。
それも俺がラスト。

パターンは大抵出たし、そもそも子どもと仲良くなるパターンがどれ程あるかが分からない。
俺にも弟と妹がいるけどやっぱり家族として暮らしてきた弟妹とメンバーの妹は勝手が違う。

それでも目の前の女の子は、佐久間の妹。
きっと俺にとっても大事な子になるのは分かりきってる。

だから変に取り繕わず、気負わず、ラフにいこう。

岩「はじめまして、Aちゃん。俺は岩本照
よろしくね。」

そう言って手を差し出すと、Aちゃんはおずおずと手を重ねてくれる。

それに思わず笑ってしまった。

『なぁに？』

岩「いや、手小さなと思って。ふふ、ごめんな」

握手した手を緩く揺らすと、それに合わせてAちゃんもふふ、と笑った。

岩「えっと俺さ。実はシルバニアファミリーが好きなのね。お人形。わかる？」

『わかる』

岩「ほんと？俺はその中のシカさん家族を集めてるの」

『ふふ』

岩「シカさん好き？」

『好き』

佐「あれ、Aちゃんもシルバニアファミリー持ってるんじゃなかったっけ？」

岩「そうなの？」

『あのねー、シロクマさんの家族がいるの』

岩「シロクマか！いいね、可愛いね」

『うん』

えへへとはにかむ彼女。
その頭をくしゃりと撫でた。

岩「今度一緒に遊ぼう」

『うん！えっと、』

佐「A、照だよ」

岩「呼べるかな？照、あ、ひーくんとかのが言いやすいかな？」

『ひーくん！』

岩「ふふ、はい」

元気よく俺の名を呼ぶAちゃんに思わず笑う。
すると、

佐「にゃーーんかいい感じじゃないですかー？」

Aちゃんを抱えながら佐久間が叫ぶと、そのまま後ろに身体を伸ばし寝転がる。
抱きかかえられてたAちゃんも佐久間の上で一緒に大の字になりきゃあきゃあと声を上げて笑う。
そんなAちゃんを見て、ああきっと家でもこんな調子なんだろうなとまた笑った。

深「なんかここにきて一番の正攻法をみた気がする」

阿「俺も。なんかすっげー平和だった」

渡「シルバニアファミリー持ってるって強くねえ？」

宮「でもちゃんと照が好きな物だしね」

阿「タイムキープも一番だったね。俺ら多分皆ちょっとずつオーバーしてたし」

深「確かに。ちょいちょい甘めでみてたからね。
じゃあ全員が終わったって事で最後に皆の名前覚えもらえたか確認しましょっか！」