Snow Houseの日常。2nd

夢6 ページ29

※主人公はSnowMan加入前、男として活動していた設定です。詳しくはSnow houseの日常1の物語設定をご覧ください。


Aside



『どうして女の子がうちにいんの？』

「…俺女じゃないっすよ」

『へー。じゃあ今から脱がすけど、いい？』

「……はい」

『ふは、おもしろいなお前。』

「………」

『大丈夫、誰にも言わねぇよ。なぁこの後飯行かね？』

「なんでですか…」

『んー、お前のこともっと知りたいから』





これが、私と風磨くんの出会いだった。



ジャニーズとしてデビューできるなんて
夢にも思っていない頃の話。






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菊「おせぇよ」

「急に呼び出したの風磨くんでしょ⁉」

菊「俺が呼んだら20分で来い」

「これでも学校終わってすぐ走って来たの」

菊「え、お前走ったの？笑」




彼はいつも私の都合なんて聞いて来なかった。

風磨くんいわく、


『事務所の先輩の誘いは
よほどの用事が無い限り来い。』

とのこと。


今思えば、一応ジャニーズに所属しながらも
他のJr.や先輩達と交流ができない私に
特有の上下関係を教えてくれていたんだろう。

それにしても強引だったけど。


でもなぜか
風磨くんと二人の時は敬語を使うと怒られる。
　

俺がそうしたいんだから従えと言われれば
後輩の私は従わざるを得なかった。



菊「お前また教科書持って帰ってきたの？置いてこいって言ってんだろ。」


風磨くんは毎回、私が背負っている重いリュックに文句を言いながらも
私の肩から外し、ひょいっと自分の肩にかける。


「課題あるのに無理。てか自分で持つし。」

菊「いいから。手があいてんなら俺と手繋ぐ？」

「アイドルが公共の場でありえない。」




風磨くんに女であることがバレた日に
私は自分のことを全て話した。


別にしつこく聞かれたわけでも、脅されたわけでもない。

私が一人で背負ってきた秘密を
俺が半分貰うと言ってくれたから。


まぁ後々、あんまり人を信用するなって怒られたけど。


それ以来、彼は私を急に呼び出しては
いろんなところに連れてってくれた。


食事、買い物、映画、風磨くんの仕事場にも。



そしてジャニーさんが亡くなった時も、
私を支えてくれたのは風磨くんだった。


彼の顔を見るなり、張り詰めていた糸が切れ、泣き崩れる私に

菊「俺が一生お前のそばにいる。」


彼はそう言って、私を強く抱きしめた。






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