Snow Houseの日常。2nd

夢1(翔、蓮) ページ19

渡辺side





『今はまだ 思い出にはできない したくないの
あなたと2人で見てるこの夢が 終わるまで… 』




Aが今回のライブのソロ曲に選んだのは


柴田淳の「夢」


昔、嵐の二宮くんがライブでカバーしたことのある曲だ。



俺はリハーサルをしているAの歌声を1人客席で聴いている。



『それはあまりに 切ない出会いだったと

いつかふと思い出すくらいで いいから

あなたとの恋 終わりから始めた恋

今は噛みしめさせて 夢でもいいから』




まだリハーサルだというのに


会場に響くこいつの声はあまりにも切なくて
この歌詞に合いすぎている。




"終わりから始めた恋"





俺と10近く歳が離れたAに
こんな思いをさせた男がいるのかと




実在するのかも分からない奴に嫉妬した気分になった。





宮「この曲、不倫かな」


渡「不倫？」


いつのまにか俺の後ろにいた涼太と
ふらっと顔を出した目黒は
俺の横に座り、ステージのAを見ながら話し始める。


宮「あまりに切ない出会い、終わりから始めた恋、
相手は既婚者だったってことなのかなって。」


渡「不倫か…」


目「こいつ、この曲に怖いぐらい感情乗せて歌いますよね。毎回思うんすよ、今まで何かあったのかなって。」



やっぱり、そう感じたのは俺だけじゃないか。



渡「まだ引きずってなきゃいいけど…」









.

夢2→←意外な一面4

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す