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考察 ページ40

夢のような1日だった。

あまりにも遠回しな告白と、思ってもみなかった返事。声を上げて子供のように泣く渡辺に申し訳なさと同時に嬉しさを感じた。


当然、電車を降りた足は幼馴染の家に向いていた。彼女との実験で何度か口にし、ひどく悪いタイミングでメッセージを送ってきた幼馴染だ。

インターホンを鳴らしはしたが応答を待つのももどかしい。どうせ家にいることは分かっているから、躊躇いもせずドアを開けた。


「……お前、何のためにチャイム押してんの?」


廊下の奥に、こちらに向かっているらしい幼馴染の呆れた顔が見えた。




「やっと告白したのか」

「おまっ、他に言うことあるだろ!?」

「あー、……うん、よかったな」

「……言いたいことがあるならはっきり言え」

「なんでそんな回りくどい告白したんだよ」


幼馴染の部屋に入ってついさっきまでの出来事を事細かに報告した。少し引き気味の顔が気にくわない。

僕が渡辺を好きになったのは入学してすぐだ。そして、それをすぐに幼馴染に伝えた。遂にお前にも春が来たか!なんて喜んでくれたのは最初だけで、時間を重ねるにつれて幼馴染のテンションは目に見えて落ちていった。曰く、片想いを拗らせすぎていたらしい。

たしかに、入学してから1年半くらい経とうとしているがそれはそれだろう。仕方ないだろ、言うほど接点なかったんだし。

呆れともとれる幼馴染の顔を見つめながら質問に答える。と、予想もしてなかった言葉が返された。


「なんでって、直接言うのが恥ずかしいからに決まってるだろ」

「そうか?話聞く感じだとただただ渡辺さんが可哀想なだけじゃないか」

「……?何処がだ?両想いだぞ」

「本気で言ってんの?「恋に落ちる」なんて銘打っておいて、自分のことを好きになるなって言い続けてたようなもんだろ」

「え」

「……不器用なの、俺は分かってるけどさ。結果的に泣いていたってつまりそれだけ不安にさせたんじゃないの?」


言われてみれば彼の言うことはもっともだ。僕は自分のことに精一杯で、渡辺の気持ちなんて考える暇もなかった。

申し訳なさで潰されそうになる。知らないうちに渡辺を傷つけて、それなのにまた僕の感情で彼女を振り回して。



僕は、彼女の側にいていいのだろうか。



.

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設定タグ:名探偵コナン , 降谷零
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ことぅーげ(プロフ) - 完結おめでとうございます!高校生の降谷さんかっこよかったです感動しました! (2018年10月31日 15時) (レス) id: b537020977 (このIDを非表示/違反報告)
なな(プロフ) - こんばんは!完結、お疲れ様でした。さらっと読み返してきました(笑)文字数が足らないので簡潔に、2度目の感想を失礼致します。降谷の感情に確信の持てなかった1度目と、確信を持ってからの2度目。見え方が全然違って読めました。拗らせが成就してくれて嬉しかったです。 (2018年10月27日 23時) (レス) id: 3e157837c2 (このIDを非表示/違反報告)
ユラン@ゆず*(プロフ) - 有紀さん» ミスなんて誰にでもありますから気にしなくて大丈夫ですよ笑。続編も楽しみに待機しておきます!!お気に入り作者登録しましたので、全力待機予定です!(`・ω・´)フンスッ! (2018年10月27日 12時) (レス) id: 2fe76e263c (このIDを非表示/違反報告)
有紀(プロフ) - ユラン@ゆず*さん» あ!かっこよく終わらせたかったのに!!!すみません、ご指摘ありがとうございました!!恥ずかしい(;_;) (2018年10月26日 7時) (レス) id: a38a24a1c3 (このIDを非表示/違反報告)
ユラン@ゆず*(プロフ) - 初コメ失礼致します。無事に完結おめでとうございます!文章量も丁度よく私にはとても読みやすかったです。毎回良いところで区切られるので先を読みたい欲が失くならずに完結までお供出来嬉しく思います。...コメント返信と最後の挨拶が2回繰り返されていますよ(小声)。 (2018年10月26日 7時) (レス) id: 2fe76e263c (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:有紀 | 作成日時:2018年6月28日 13時

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