実験3 ページ3
「1問目。この世界の誰でもディナーに呼べるとしたら、誰を招待するか」
『誰でもいいの？』
「うん、そう書いてある」
『えー悩む』
「まずは僕からだ」
降谷は顎に手を当てた。その姿も様になるあたり、やっぱり世界は容姿が全てなんだな、と思う。
じーっと顔を見ていたら、伏せていた視線をあげた降谷と目があった。眉をしかめられる。
慌てて目をそらして質問を考え始めた。ディナーって言いかたが大人びていてなんか嫌だ。
「僕は、先生かな。幼い頃に世話になった先生がいるんだ」
へー、と返す。降谷とわたしは高校からの付き合いだからきっと知らない人だ。
降谷の目が優しく細められているから、きっとすごく大事な人なんだろう。
「渡辺は？」
『うーん…工藤優作かな、一回会ってみたい』
「憧れの作家と飯行って話せるのか？」
『ノリで！』
言えば渋い顔をした降谷は、ん、とスマホを指差す。
次に質問を読むのはわたしだ。
『えーっと、有名になりたいですか？どんな方法で？』
有名になりたいか、なんて考えたこともないなぁ。
『別にならなくていいかなぁ。疲れそうだし』
「……僕も。特定の人が僕を見てくれていればそれでいい」
『やけに具体的だね』
降谷はなにも言わず次の質問を読む。これ話を広げたりはしなくていいやつなのかな。
「3問目。電話をかける前に話すことをリハーサルするか、またその理由。
しないな。時間の無駄だ」
『即答かよ。えーどうだろ…そもそもあんま電話かけないんだよなぁ……』
前に電話をかけたのっていつだっけ。あ、電車の遅延がひどすぎて遅刻確定したとき？
『リハーサルする、絶対する。緊張して何喋っていいのかわかんなくなるもん』
「緊張するか？」
『する』
「じゃあ今夜電話してやるよ」
『なんで！？』
「緊張してる渡辺面白そう」
降谷が年相応の笑い方をした。子供っぽい無邪気な笑い方。
いつも無表情か貼り付けた笑顔しか見せないくせに、そんな顔もできるんだ。
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ことぅーげ(プロフ) - 完結おめでとうございます！高校生の降谷さんかっこよかったです感動しました！ (2018年10月31日 15時) (
レス) id: b537020977 (このIDを非表示/違反報告)
なな(プロフ) - こんばんは!完結､お疲れ様でした｡さらっと読み返してきました(笑)文字数が足らないので簡潔に､2度目の感想を失礼致します｡降谷の感情に確信の持てなかった1度目と､確信を持ってからの2度目｡見え方が全然違って読めました｡拗らせが成就してくれて嬉しかったです。 (2018年10月27日 23時) (レス) id: 3e157837c2 (このIDを非表示/違反報告)
ユラン@ゆず*(プロフ) - 有紀さん» ミスなんて誰にでもありますから気にしなくて大丈夫ですよ笑。続編も楽しみに待機しておきます！！お気に入り作者登録しましたので、全力待機予定です！(｀･ω･´)ﾌﾝｽｯ！ (2018年10月27日 12時) (レス) id: 2fe76e263c (このIDを非表示/違反報告)
有紀(プロフ) - ユラン@ゆず*さん» あ！かっこよく終わらせたかったのに！！！すみません、ご指摘ありがとうございました！！恥ずかしい（；＿；） (2018年10月26日 7時) (レス) id: a38a24a1c3 (このIDを非表示/違反報告)
ユラン@ゆず*(プロフ) - 初コメ失礼致します。無事に完結おめでとうございます！文章量も丁度よく私にはとても読みやすかったです。毎回良いところで区切られるので先を読みたい欲が失くならずに完結までお供出来嬉しく思います。...コメント返信と最後の挨拶が2回繰り返されていますよ(小声)。 (2018年10月26日 7時) (レス) id: 2fe76e263c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：有紀 | 作成日時：2018年6月28日 13時
