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ピークの時間になり、
お客さんをさばくくことが精一杯でてんやわんやになりながらも何とかミス無く対応できた。
私でさえこんなに大変なんだから、
二人はもっと大変だよなそう思うと甘えてなんていられない。
二人の負担を少しでも軽減したくて一生懸命こなしていたらいつの間にかピークは過ぎていた。
「Aちゃーん、
こっちおいで。」
何か仕事はないとうろうろしていた私に声をかけてくれたのは渡辺さん。
「どうしたんですか？」
「まかない、
食べなよ。
お腹すいたでしょ。」
『まかない』と言う言葉を聞いた瞬間お腹の方からグーっと音が鳴った。
「ハハッ。
結構良い音なるじゃん。
こっちおいで、
用意してあるから。」
すこし恥ずかしく、
頬が赤くなってしまったけど、
まかないは楽しみなので渡辺さんについてバックヤードの方へ行く。
「はい、
涼太特製卵サンドとダージリン。
それでこっちは僕の特製ミルクキャラメルだよ。
一緒に食べよう。」
「えっいいんですか。
二人もここにいて。」
あの仕事量いくらピークを過ぎたからって一人で全部やるなんて。
「Aちゃんが来るまでは二人交互だったんだから大丈夫だよ。
初仕事だったのにいっぱいお客さん来ちゃって大変だったでしょ。」
そう言って椅子を引き私の座る場所を取ってくれた。
優しいな、
最近あまりいいことがなかったからここに入ることに決めてからの一瞬一瞬がとてもキラキラしている
。
「わざわざありがとうございます。
とってもおいしそうですね、
いただきます。」
「そうそう、
僕Aちゃんの『教育係』ってやつになったから、
わからないことがあったら何でもいつでも聞いてね。」
ニコニコとこちらを見ている、
その顔が何だかむず痒い。
こちらを見てくれてうれしいのに。
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作者名：雪花火 | 作成日時：2020年7月30日 21時
