私が書きたかったシーン 『放課後』part2 ページ46
フウカバージョン
「へ？」
意味が分からず、目を点にして顔を上げる。
黒い髪に黒ぶちメガネで、少し背が高いのは変わりない。
けど、今思えば…
彼の視線も、ルックスも、顔立ちも。
あたしはどこかで、否、ずっと近くで見てきた気がした。
(…もしかしてこの人…)
ピンと直感が頭を走り、改めて『そういう目』で彼を見てみる。
眉間にしわが寄り、不機嫌そうな顔。
ムカつくスタイルの良さに、何度恨んだことか。
さっきのような怖気づいた雰囲気も今はなくなってて…
「何、お前まだ気づかねぇの？」
生意気な口調とか、あたしがよく知っている『彼』そのものだ。
そしてあたしは疑問から、認めたくない確信へと変わっていく。
嘘待って、まさかコイツ…
『チトセ』じゃないよね？
そんなことはない。あっちゃいけない。
だってほら、髪も黒いし眼鏡かけてるし、あたしが知ってる瞳はこんな黒くなんか―――
そう思い、もう一度彼の瞳をジッと見つめれば。
彼の瞳は、…青く、深い群青の瞳をしていた。
眼鏡で分からなかったけど、確かにこの瞳は長年あたしを見てきた、恨めしき青の国の13番目のもの。
という事は、あたしに告白してくれたあの人は…チトセだったってこと！？
「待って脳が追い付かない…」
額に手を当てて、色々と考えようとした瞬間に彼の機嫌はMAXに悪くなる。
「…付き合ってる癖して返事は明日？ホンっっっト喧嘩売ってるの？」
その言葉遣いは間違いない…
あたしの幼なじみ・現『彼氏』のもの。
その瞬間、膝の力が抜けてカクっと座り込むあたし。
わなわなと震える口であたしは、顔を赤くしながら目を見開く。
「な、ななな、な……何でそんな、かっ格好して…」
何度も瞬きを繰り返すと、彼はため息を吐いてパチッと指を鳴らした。
瞬間に髪の色が青く染まって、元の『チトセ』に戻る。
「実験。」
「はっ…？」
眼鏡を取り、閉じていた瞼を上げてジロッと睨んだチトセはそう言って、座り込んだあたしの目の前にかがみこんだ。
「お前がもし告られたとき、どんな反応してどう返事するかなって思って、わざわざ変装してやってみたけど…。」
そう言って、あたしを鋭く睨みつけながら口角を上げた。
「結果は散々だな。」
…うわ、これは久々にヤバい。
何を言っても、今回のチトセだけは手強そうだ。
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ケイ(プロフ) - ごく普通の人さん» ありがとうございます！嬉しいです。その言葉を励みにこれからも頑張ります(｀・ω・´)ゞ!!) (2020年8月11日 18時) (
レス) id: b0b3a08d76 (このIDを非表示/違反報告)
ごく普通の人 - うっわぁ。さすがケイ様。面白〜い！ (2020年8月11日 18時) (レス) id: 25d3ac3089 (このIDを非表示/違反報告)
ケイ(プロフ) - 双葉あめりさん» ありがと全力で頑張りまする！ (2020年8月2日 10時) (レス) id: 82f3ba1a1a (このIDを非表示/違反報告)
双葉あめり(プロフ) - ケイさん» どういたしましてっ！！知ってて良かった笑作品頑張れー！！ (2020年7月18日 17時) (レス) id: 045daae5eb (このIDを非表示/違反報告)
ケイ(プロフ) - 双葉あめりさん» ぅぅうううう泣ありがと莉央、今物凄く救われた気分になったよぉおお号泣 (2020年7月18日 16時) (レス) id: 82f3ba1a1a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ケイ | 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/hp/snow17111/
作成日時：2020年4月16日 18時
