らくだい魔女短編集 〜リクエスト企画を実行します〜

みるく殿リクエスト　・シロside・『サンビタリア』 ページ23

シロバージョン


　ねぇ。


　どうして彼ばかり見ているのですか？

　何故、彼じゃないといけないのですか？



　僕じゃダメですか？



　僕じゃ、頼りないですか？



　確かに僕は弱いかもしれない。

　体も小さいし、覚悟もない。

　命を差し出すなんてそんな恐ろしい事、しようとも思わない。

　おまけに力勝負となると…すぐに負けてしまう。

　貴方を守れる、そんな力も魔法もない。



　僕は、彼と比べると…頼りない霊獣だ。




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　それでも、一つ誰にも負けない自信がある。


　例え、魔法界が破滅しても。

　例え、貴方が死んでしまっても。

　例え、僕が死んでしまっても。




　僕は誰より、貴方が好きです。





　なのに、僕じゃダメなんですか？




　初めて命を賭けてもいいと思える人ができた。

　本気で誰にも渡したくないと思える人ができた。


　ですから、彼の事なんて早く諦めて下さい。

　僕を見て、感じて、意識して下さい。

　すぐにとは言いません。

　早くして、なんてせがみません。

　でも、僕を見てください。

　気持ちだけじゃ、何も出来ないなんてそんなの分かっている。

　無力だって分かってる。


　それでも僕は。



　貴方を誰より好きです。



　彼じゃなくて、僕も見て。




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　ねぇ。


　いつかは『霊獣』としてじゃなくて一人の『男』として




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　―――――見てくれますか？







　いつか、貴方がくれた花。

　僕は大好きになった。

　城の庭園の隅で、こっそり育てていること…貴方は知らないでしょう？

　サンビタリアの花言葉は『私を見つめて』。





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　―――――僕はいつか、堂々と貴方にそう言えるような男になりたいです。

私が書きたかったシーン　・怪盗Xside・→←みるく殿リクエスト　・ビアンカside・『ハナニラ』

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