続き ・チトセside・『クロッカス』 ページ12
チトセバージョン
城を抜け出し、俺は走り続けた。
すれ違う人の物珍しそうな表情も、気付いた兵士が俺を止めようとする声も。
今はどうだっていい。
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『……嫌いだよ。』
あれは本当か?
お前の本心なのか?
じゃあ『会いたい』って何だよ。
聞こえたよ。
『会いたい』なんて言ったのは、お前だろ?
お前だと、信じたい。
段々とスピードを落としていく。
『しー、だよ。チトセ。ここ、秘密の出入り口なんだから。』
『秘密の出入り口っ?』
『あー、またそんな大きい声出して。…ここから入ればいつでもチトセに会えるから。』
「…!」
瞬時に思い出して、すぐさま……ある場所へ向かった。
そこは昔、フウカが城から抜け出すために城中駆けまわって見つけた場所。
そこを知ってるのは…昔こっそり抜け出していたフウカを見つけたセシルさんとフウカと俺だけだ。
壁に寄りかかり、顔を上げて呟く。
「…青…。」
澄み渡った気持ち悪いほど綺麗な空。
俺とは真反対。
心がどんより曇って汚れ切った俺とは全然違う。
でも…
空を見ていると、何でも綺麗に洗い流してくれそう。
いっそ、この身を全部捧げてしまいたい。
「…出来るわけねぇけどな。」
ふっと笑みを浮かべて軽く目を閉じた。
もし。
俺が普通の人間で、お前も普通の人間だったら。
離れることはなかっただろうと思うんだ。
王族って言うルールに縛られずに、自由に歩きたい。
どんなに楽だろうか…。
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だけど、そこまで神様が意地悪くないのなら。
この愛をもう一度。
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紫色のクロッカス。
見たことはあるだろうか。
前にセイラがそっと差し出してきた花だ。
セイラは『花言葉、調べてください』と言ってから
「…私は別に、花言葉通りの想いに浸ってませんから。」
と言った。
紫色のクロッカス。
花言葉は…
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『愛をもう一度』。
続き ・チトセside・『コチョウラン』→←私(ケイ)が書きたかったシーン ・フウカside・『ナデシコ』
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ケイ(プロフ) - ごく普通の人さん» ありがとうございます!嬉しいです。その言葉を励みにこれからも頑張ります(`・ω・´)ゞ!!) (2020年8月11日 18時) (レス) id: b0b3a08d76 (このIDを非表示/違反報告)
ごく普通の人 - うっわぁ。さすがケイ様。面白〜い! (2020年8月11日 18時) (レス) id: 25d3ac3089 (このIDを非表示/違反報告)
ケイ(プロフ) - 双葉あめりさん» ありがと全力で頑張りまする! (2020年8月2日 10時) (レス) id: 82f3ba1a1a (このIDを非表示/違反報告)
双葉あめり(プロフ) - ケイさん» どういたしましてっ!!知ってて良かった笑作品頑張れー!! (2020年7月18日 17時) (レス) id: 045daae5eb (このIDを非表示/違反報告)
ケイ(プロフ) - 双葉あめりさん» ぅぅうううう泣ありがと莉央、今物凄く救われた気分になったよぉおお号泣 (2020年7月18日 16時) (レス) id: 82f3ba1a1a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ケイ | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/snow17111/
作成日時:2020年4月16日 18時