『手を取り合って』 ページ34
〜After that〜
「あれあれ、アリス超可愛いっ！」
「…お、ユウもいる。」
「え、待って待ってこっち見て〜〜っ！」
お〜いっ！と手を振ってこっちを見ているのは私の大好きな仲間。
私も笑って手を振り返すと、
ワァ
その場にいた人たちの歓声が上がった。
(あぁゴメン、手を振ったのは皆じゃないの…)
何となく申し訳なくなっていると「あたしに手ぇ振ったんだからっ！」というあの子。
気付いてくれたんだ。
嬉しく感じてアハハッと笑った。
と。
「もっと女王らしく笑えよな。」
嫌味が聞こえてきて、ぴくっと肩が反応する。
振り向いてため息を吐いた。
「嫌味しか言えないの？」
「え？何、『好きだ』って言ってほしいの？」
「ちがっ…そーゆー問題じゃないっ！」
赤くなる顔を隠しながらジロッと睨むとハイハイと呆れる彼。
髪をかき上げた右手の薬指には……前にグミと一緒にあげた『指輪』。
シルバーがお日様に反射して綺麗に光る。
自分の手元を見て、彼と同じものが光っていることに喜びを感じていると。
「『あの時渡してて良かった』って思ってる？」
耳元でささやいてきた彼に飛び上がって、むんずと彼の耳を掴んだ。
「いででっ！」
「…口に出さなくていいの、そーゆーのは。」
だって本当の事だし、否定する気になれない。
そ、と笑った彼はホントに嬉しそうで。
つられて笑顔になった。
「色んなことあったね。」
「ホントそれな。」
「イヤリングは取られるし」
「フウカはさらわれるし」
「…フウカが好きだって噂が立ったし」
「はは、それはお前の勝手な解釈な。」
「そーなのっ？」
「そーゆーお前こそチトセが好きで一目惚れで告白した癖に。」
「そんな時もあったね〜」
「受け流されても困るんだけど。」
「ハイハイ悪かったって。」
ギュッと抱き着いて…精一杯の愛情表現をすると彼も抱きしめ返してくれた。
『只今から、式を開催します。』
アナウンスがかかり、同時に二人で手を取り合ってバルコニーに出た。
―――怖い事だって、苦しい事だって。
一人じゃ乗り越えられないことがある。
二人で手を取り合って生きていこうね。
今、明るい未来に向かって一歩、足を踏み出した。
大好きな彼が隣に居て、私『アリス』は幸せです。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 3人がお気に入り
お気に入り作者に追加
「オリジナル」関連の作品
この作品を含むプレイリスト ( リスト作成 )
この作品を含むプレイリスト 
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
爽(プロフ) - お久しぶりです爽です。お陰様で現在、7,507 hit頂いております。沢山の閲覧本当に嬉しいです！作者の至らない所ばかりで稚拙な部分も祟ると思いますが、これからもよろしくお願いします…! (2021年5月23日 21時) (
レス) id: 82f3ba1a1a (このIDを非表示/違反報告)
ケイ(プロフ) - 4,238hitありがとうございます！作者嬉しい限り、本当に涙です。これからもらく魔女愛を最大級に伝えてまいります今後もご贔屓の程宜しくお願い致します。 (2020年7月16日 17時) (レス) id: b0b3a08d76 (このIDを非表示/違反報告)
ケイ(プロフ) - アミさん» 嬉しいせんきゅうありがとう〜！！！！！ (2020年7月6日 22時) (レス) id: b0b3a08d76 (このIDを非表示/違反報告)
アミ(プロフ) - ケイさん» もう面白すぎて何回も読み返してるよ〜！ (2020年7月6日 22時) (レス) id: 86dee03899 (このIDを非表示/違反報告)
ケイ(プロフ) - ユキカさん» えぇそぉ？ありがと〜///((お前やないわ怒byアサヒ (2020年6月21日 17時) (レス) id: a3939203d3 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ケイ | 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/hp/snow17111/
作成日時：2020年4月7日 12時
